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拠点・奈良県大和郡山市 運営者・浅野善一

仲川市長「画一的な駅前広場になるの残念」

県の大屋根計画 疑問示すも了解の方向

法の範囲内 認めざるを得ず

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2011年12月13日
 県が近鉄奈良駅敷地の行基広場に計画している大屋根に対し、反対の声がある問題について、広場を管理する奈良市の仲川元庸市長は13日の12月定例議会で、「全国どこにでもあるような駅前広場になるのは残念」と疑問を示しながらも、「法の範囲内であれば、認めざるを得ない」と述べ、県の計画を了解する方向であることを明らかにした。松岡克彦議員(共産党)の一般質問に答えた。
 同議員は、先月27日にも市民のパレードがあり、奈良らしさを奪わないでと訴えたが、そうした声をどう受け止めているか▽ことし8月の記者会見で市長は「行基さんが風雪に耐える姿には訴えかけるものがあり、今のままで良いのでは」と述べたが、その気持ちに変わりはないか▽県の進め方をどう思うか▽近鉄は県に市の了解を得るよう求めたが、市の対応は―などとただした。
 仲川市長は答弁で「奈良らしさは大切なこと。市民や観光客の声を真摯(しんし)に受け止め、慎重に対応しなければならない。今のままでという気持ちも変わらない。全国どこにでもあるような画一的で、個性が埋没した駅前広場になってしまうことは残念。市民の思い入れの強い場所であり、県は県民との間で合意形成が必要」と述べた。
 しかし、近鉄が求めた市の了解については「近鉄に確認したところ、法的な手続きの意味だった」とし、「建築基準法の範囲内であれば、認めざるを得ない。市景観審議会で景観法に沿ったものにしてもらうようにしたい」と述べた。
 松岡議員は、市の考えを県に堂々と述べるくらいのことがあってもいいのではないかと注文した。(浅野善一)
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