地域の身近な問題を掘り下げて取材しています
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拠点・奈良県奈良市 運営者・浅野善一
蜜目当てにメジロやヒヨドリ
サクラに集まる野鳥 ―4―
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2012年4月23日
↑サクラの花粉でくちばしが黄色く染まったメジロ=2012年4月9日、奈良市三碓町の矢田丘陵遊歩道
↑満開のサクラに止まり蜜を探すヒヨドリ=2012年4月14日、同所
↑メジロやヒヨドリがやって来た矢田丘陵遊歩道のサクラ並木=2012年4月17日、同所
 4月初旬。全国各地のサクラ開花情報があらゆるメディアによって私たちにもたされる。しかし、サクラの開花を心待ちにしているのは、なにも人間ばかりではない。日本に生息する野鳥たちの中にも、サクラの開花を楽しみにしているの鳥たちがいるのだ。それがメジロとヒヨドリだ。どちらも全国の低山や里山、樹林の多い公園などに留鳥として生息し、人家の庭木などにもやって来る。
 メジロは体長約12センチ。くちばしは黒くて細長く、頭部から背面にかけては黄緑色。目の周りに白い縁取りがあり、のどの部分は濃い黄色。腹部は薄い褐色を帯びた白色で人間に対する警戒心も強くなく、仕草が活発で愛くるしい小鳥だ。また鳴き声も美しく古来、飼い鳥として知られ、今でも飼育愛好家が多い。
 一方、ヒヨドリは体長約28センチ。くちばしは黒で細長く、全身濃い灰色。目の縁からのどの後ろにかけては茶褐色の部分がある。割合地味な鳥だが、鳴き声が大きく常に「ピューピュー」と鳴きながら行動しているため、その存在は分かりやすい。
 サクラが開花すると、まず真っ先にやって来るのがメジロだ。開花したばかりの花弁にくちばしを突っ込み、甘い蜜を吸っていく。開花が進み七分咲きぐらいになるとヒヨドリもやって来る。どちらの鳥もくちばしを花粉で黄色に汚しながら必死になって蜜をあさる。花によって蜜の量や味に良し悪しがあるのだろうか、特定の花弁をめぐって仲間同士で争うメジロの姿や、ヒヨドリに追われるメジロの姿がしばしば見かけられる。
 サクラに集まる野鳥は、ヒヨドリやメジロ以外にもムクドリやカワラヒワ、ウソ、スズメ、シジュウカラなどがいるが、いずれも花の蜜が目的ではなく新芽やサクラの木に集まる昆虫が目当てのようだ。
 やがてサクラが散り山々が新緑に包まれる頃になると、メジロやヒヨドリも繁殖の時期を迎える。本来の餌であるたくさんの昆虫を集め、子育てをしなければいけないのだ。繁殖の前のひととき、まるでデザートを楽しむようにサクラの蜜を吸うヒヨドリやメジロ。花見に行った人々もサクラに集まる野鳥たちや昆虫たちが花の蜜や新芽、樹液を餌として生きる姿を見て、自然と生き物が共生することの大切さを認識できれば幸いだと思うのだが。
 (よな・しょうぞう=野鳥写真家、生駒市在住)=毎月第2、4月曜に更新
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