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拠点・奈良県大和郡山市 運営者・浅野善一

歩道橋手すりの高さ基準、引き上げず

国交省が見解

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2010年6月2日 浅野善一

 奈良市の一条歩道橋の手すりの高さの問題に関連して、記者は国土交通省に対し、歩道橋の手すりの高さの基準が、同じ転落防止が目的でありながら、高架道路の歩行者用手すりや建物のバルコニーの手すりの基準に比べ低くなっている点を指摘、歩道橋の手すりの基準を引き上げるべきではないかとの立場で見解を求めた。これに対し同省は、都道府県や市町村など各道路管理者が現場に応じて判断すれば良いと回答、見直す考えがないことを明らかにした。何のための基準なのか、安全性に影響しないのか、疑問が残った。

 記者は5月17日、国交省道路局環境安全課に対し、文書で質問。6月2日に再度、電話取材し、担当者から回答を得た。

 質問では、一条歩道橋の手すりの高さが1.06メートルで、記者が転落の不安を感じたことを挙げ、次のような点を指摘した。

 歩道橋の手すりの高さは「立体横断施設の設置基準」で1メートル以上とされている。これに対し、転落の危険のある道路の歩行者用手すりは「防護柵の設置基準」で1.1メートルが標準とされ、建物のバルコニーの手すりなども「建築基準法施行令第126条」で1.1メートル以上とされている。両者には10センチの開きがあり、同一目的の基準に整合性がない。

 一方、同省近畿地方整備局奈良国道事務所が管理する県内歩道橋26カ所のうち、一条歩道橋を除く25カ所はいずれも手すりの高さが1.1メートル以上で、さらに23カ所は1.2メートル以上である。また、県が管理する歩道橋83カ所についても手すりの高さは1.1メートルから1.2メートル前後ある。基準は実態にも合っていない。

 これに対し同課の担当者は、3つの基準に整合性がない点については「基準が作られた当時の考え方を確認、整理しないと分からない。作られた時期も違う」とした。ただ、あらためて確認する考えがないことも明らかにした。その上で歩道橋の手すりの高さについては「各道路管理者が各現場の状況を勘案しながら、適切な形で整備を考えてもらえば良い」とし、現場の対応で十分とする認識を示した。

 奈良国道事務所は一条歩道橋について、記者のこうした指摘を受け、手すりを1.2メートルにかさ上げすることを決めている。

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