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拠点・奈良県奈良市 運営者・浅野善一

二重扉に集音材 鳴き声、漏らさない徹底

奈良市、表示省略の地階「動物管理施設」

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2011年4月24日
動物管理施設の成犬収容室。天井近くの壁はガラスブロックになっていて外光が入る(右上)=奈良市三条本町の市保健所・教育総合センター
ガラス張りの負傷動物処置室。廊下から見学できる 車庫に待機している移動式処分装置を積んだトラック(ナンバーは消しています)
 案内表示が省略されていることが分かった奈良市保健所・教育総合センター内の動物管理施設。多くの市民が住み、行き交うJR奈良駅前の市中心部に立地する。近隣住民に配慮して地下に設置された施設は、鳴き声や臭気を外に漏らさないことが徹底された。施設を取材した。  奈良市は2002年、中核市に移行。これに伴い、それまで県が担っていた保健所の業務を行うことになり、その業務の一つである飼い主のいない犬猫の収容や殺処分も行わなければならなくなった。市保健所は同市西木辻町から、今月1日、三条本町に新築された同センターに移転、地下1階を動物管理施設とした。
 動物管理施設は広さ約400平方メートル。成犬収容室、子犬収容室、譲渡動物飼養室、狂犬病鑑定室、負傷動物処置室などがある。大きな特徴は防音対策である。「鳴き声が漏れたら子どもの教育によくない」との住民の不安の声を受けたものだ。出入り口には分厚い鉄製扉を二重に設け、天井や壁には集音材を張り巡らした。臭気対策でも、排気は活性炭を通過させ、収容室には空気清浄器を備えた。
 また、清潔を保つため清掃に時間をかけ、ふんなどの始末では湿気の原因になる水は使わず、モップによる拭き取りを行っているという。
 殺処分についても、施設内では行わないという住民への約束に従い、移転前から取り入れている移動式処分装置の利用を継続した。トラックの荷台に装置を積んだもので、走行しながら殺処分を行う。施設内の車庫に待機している。
 施設は地下だが、唯一、外光が入る所がある。収容室の天井近くの壁の一部をガラスブロックにした。収容している犬にせめて昼夜の違いが分かるようにとの配慮という。子どもなどへの動物愛護教育を想定した工夫もしたという。負傷した犬猫を収容した場合に治療を行う処置室の廊下側壁の一部をガラス張りにした。廊下からガラス越しに室内を見学できる。
 担当の市生活衛生課によると、2010年度に収容した犬猫は合わせて400匹近くに上る。7割を子猫が占め、犬は3割。飼い主などから引き取りを求められた犬猫が多く、徘徊(はいかい)犬の収容は少ないという。一方、収容した犬猫のうち希望者に譲渡された犬はわずか4匹で、猫は譲渡の希望がないという。大半の犬猫は殺処分された。
 泉幸宏・同課長は「施設の存在を伏せるつもりはない。地元住民や市議会にも施設を見学してもらった」とし、施設づくりで防音・臭気対策のほか、収容動物に配慮した工夫や動物愛護教育を想定した工夫を行ったことを強調している。(浅野善一)

ご意見・ご感想(4件)

▼山崎しのぶ(5月14日)
 根本的におかしいとおもいませんか?? 苦情が出て困るなら、殺処分しなくてすむようにすればいいだけの話。そうやって顔色をうかがって殺していくだけだと、ますます悪い方向へ行くことに、どなたも気づかないのでしょうか? 誰でも、怖いもの悲しいもの悲惨なものは見たくありません。
 関わると面倒なので、見て見ぬふりをするでしょう。行政は、そうならないように住民を引っ張って行くべきではないですか? 嫌なものは強制的に自分の周りから排除する。そういう考えは自己中、身勝手以外のなにものでもありません。逆に公開し住民への理解を深め、なぜこうなるのか、どうやったら減るのか、命の尊さを伝えるべきです。野良猫が多くて殺すのが大変〜!なら、一斉に野良猫の避妊去勢を、すぐやればいいじゃないですか? お金をかけるなら、いずれ犬や猫の不幸な命がなくなり、人間も安心し穏やかな生活ができるよう進めていくべきだと思います。

▼有馬克巳、会社員(5月14日)
 全く、何の解決にもなってないし、そもそも、考え方が間違ってます。動物の泣き声がするから、聞こえないようにするのではなくて、殺処分をなくす努力をなぜしないのでしょうか? 地域住民の大人も、鳴き声が子供の教育に良くないという考えではなくて、あえて、泣き声が聞こえて、殺してますというのを、あからさまにした方がいいんです。それを聞いた子供が、殺処分を減らすための努力を将来してくれれば、そちらの方がよいわけです。施設内で殺すことに反対されるからという理由で、移動式にしているのも、前述と同じで、全く考えが間違ってます。施設内で殺しても、施設外で殺しても、殺していることには変わらず、何の解決にもなってません。殺処分をごまかして、隠蔽(いんぺい)しているとしか思えません。世の中、行政が動物を年間何万引きも殺処分しているという現状を知らない人が多くいます。そういうことを行政はもっと広めて、地域住民も一体になって、殺処分を減らす努力をするべきです。地域住民の方の、認識も全然足りないし、考え方も全然おかしいと思います。

▼和泉資子(43)会社員、東京在住(2011年5月12日)
 ツイッターで、馬鹿げているというコメントがたくさんでています、ご存じですか? お金のつかいどころがちがう。収容動物のことをかくさず、処分しているサマを住民に知らせることが、「教育のため」「ペットを簡単に飼ったり遺棄したりしないよう命の大切さを教える」ためになる。間違っている。ばかげている。周辺住民だけは移動殺処分に賛成しているだろうが、それ以外の国民はすべてそんなところにお金かけるべきじゃないという意見だと思う。木を見て森を見ないとはこのこと。

▼下川麻美(31)北海道在住(2011年5月12日)
 もっと違ったサッ処分を減らす方法への工夫に力を注いだほうがよかったのでは? 施設の建物自体を立派にしたってサッ処分は変わらないんだし、サッ処分を減らすことへの努力と現実をきちんと住民に知ってもらい、命の大切さを未来ある子供たちへ伝えていくのが、大人であり、その町の努力すべき点ではないのでは? 隠す気はないのなら、隠さずどの市町村もサッ処分を減らす努力に取り組んでいただきたいと思います。個人活動では限界もあり、法律自体が改正しなければこのサッ処分という残酷な行為は変わりませんが、市町村の少しの努力が1匹でも多くの罪なき動物たちを救うんじゃないかと思います。

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