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拠点・奈良県奈良市 運営者・浅野善一

プラ容器包装ごみ 金属類混入で一部、再資源化できず

奈良市 フライパンやトースター、中間処理に支障

市民、分別排出の規則守らず

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2011年10月14日
収集したプラスチック製容器包装ごみの中に混入していたフライパンなどの金属類=奈良市奈良阪町の中間処理施設
袋を破ることができず利用できなかったプラスチック製容器包装ごみ
 奈良市が家庭から再生資源として収集しているプラスチック製容器包装ごみの中に金属類が混入し、これが中間処理の支障となって、一部が再生資源として利用できなくなっていることが、市環境清美部企画総務課への取材で分かった。混入の原因は、分別排出の規則を守らない市民がいるためだ。
 プラスチック製容器包装ごみの収集は週1回。家庭からポリ袋などに詰めて排出されるが、再生資源として業者に引き取ってもらう前に、袋を破って中身を点検、不適物を取り除かなければならない。
 市が中間処理を委託している同市奈良阪町の市エコロジー事業協同組合施設は、破袋機と呼ばれる装置を使ってこの作業を行っている。収集した袋詰めのごみは、金属製の刃が回転する大きな容器に投入され、そこでばらばらになったごみはベルトコンベヤー上に移動、作業員が手作業で不適物を取り除く仕組みだ。
 同施設の現場責任者によると、袋を確実に破るには刃の間隔は5センチが理想という。ところが、収集したごみの中にフライパンやトースター、缶などさまざまな金属類が混入していて、刃が損傷する問題が発生。刃の損傷を減らすため、やむを得ず間隔を15センチほどに広げた。すると、小さな袋や収集の過程で圧縮された袋は、この刃の間隔の範囲に収まってしまうことがあるという。この段階で袋を破ることのできなかったごみは、作業効率の都合上、再生の対象から外される。

プラスチック製容器包装はプラマークあるものだけ

 市町村が再生資源として収集するプラスチック製容器包装ごみは、識別表示のプラマークがあるものだけだ。ただし、汚れたものや中身が入ったものは駄目。よく間違われるが、ペットボトルやさまざまなプラスチック製品も対象外。
 プラスチック製容器包装ごみの出し方で分かりにくいと考えられる点について、奈良市の場合はどうか、市環境清美部企画総務課に聞いた。
 中身の入ったものは空にして、汚れたものはさっとすすいで水気を切る。汚れの落ちないものは燃やせるごみに。
 ラップ類については、スーパーなどの食品に使用されているプラマーク表示があるラップは対象となるが、家庭用のラップは燃やせるごみだ。
 紙やシールが付着している場合はできる範囲で取り除けばよいという。
 食品トレーについては、有色のものは対象だが、白色のものは販売店か市の収集拠点へ。
 市が困るのは、賞味期限の切れた食品が入った容器や、墨汁や絵の具が入った容器がそのまま出され、中間処理の過程で中身が出て他のごみを汚してしまう場合という。(2011年10月15日)
 市によると、収集したごみのうち、利用できないごみは常時3分の1ほどあるが、この中の6〜7割を袋を破れなかったごみが占める。これらは焼却処分に回される。
 同市ではフライパンなどは大型ごみとして扱われ、収集してもらうにはその都度、申し込まないといけない。市はこうした不適物の混入を防ぐため、分別排出の規則を守るよう市広報紙などを通じて、市民に呼び掛けている。
 同市が2010年度に収集したプラスチック製容器包装ごみは4400トン。このうち3分の2に当たる2800トンがパレットなどプラスチック製品の原材料として利用された。
 県内の他の市町村の場合はどうか。
 広陵町は破袋機に入れる前に、手作業による「粗選別」を行っている。町のごみ処理施設クリーンセンター広陵によると、金属類の混入はあまりないが、汚れた物やプラスチック製容器包装を示すマークがない物の除去に手間を掛けている。処理の速度は落ちるが、不適物の混入率を低く抑えることができているという。
 大和高田市は公共施設などでの拠点収集のため量が少なく、市クリーンセンターでの点検、選別は全て手作業。ただ、ごみ収集の有料化を実施しており、鍋やプラスチック製玩具などの粗大ごみが混入していることはあるという。(浅野善一)
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