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拠点・奈良県奈良市 運営者・浅野善一

奈良市議会 情報公開条例の未実施 41中核市で唯一

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2012年1月12日
情報公開条例が未実施の奈良市議会の議場
 中核市の41市議会が保有する公文書をめぐり、情報公開条例の対象として整備していないのは奈良市議会だけであることがニュース「奈良の声」の調査で分かった。このため奈良市の住民や有権者らは、権利として当該情報を開示請求することができない。同市議会は、議長選汚職を機に議会制度特別検討委員会を開催しているが、開かれた議会に向けて基本的な改善が急がれそうだ。
 議会が透明性を確保し、住民に説明責任を果たしていく上でも大切な制度。現在、中核市の38市議会が市の情報公開条例の実施機関になっており、大阪府東大阪市と高知市の2議会は情報公開条例を有している。議会事務局が作成・保管する文書や議長が定める文書などを公開の対象にしている。
 これに対し奈良市議会は依然として、要綱に基づく情報公開制度の実施にとどまっている。要綱は内部規定のことで、一種のサービスのような形で運営され、市民らが公開を求める権利はない。このため、注目を集める政務調査費などの公費支出のあり方についても、領収書の発行先の名称を同市議会が不開示とした判断に対して、行政訴訟の道は開かれていない。条例に基づく不開示処分であれば、異議申し立てを受けた審査会が仮に不開示を容認した場合でも、最終的に裁判所の判断に委ねることができ、さまざまな公文書が最高裁の判断で公開に覆っている。
 奈良市議会はこれまで、議員の海外視察旅行に対する出張命令簿や復命書は要綱に基づいて開示してきたが、政務調査費の細部をめぐっては、市の包括外部監査人からの提出要請を拒んだことがある。
 一方、奈良市は、大量の文書を開示請求しながら閲覧しないなどの権利の濫用者への対策として、権利の制限(閲覧制限)を盛り込んだ情報公開条例の改正案をこの3月議会にも提出するが、公開制度にまつわる権利の創設や義務の履行を体験したことのない市議会が審議に臨むことになる。議会事務局は「要綱から条例への格上げに向けた具体的な論議は出ていない」と話している。(浅野詠子)
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