奈良県)奈良・近鉄線西大寺駅横 踏切内に電車停止中、遮断機上がる 18日の停電時
奈良市の近鉄西大寺駅西側の菖蒲池8号踏切で18日午後1時26分ごろ、踏切内に電車が停止しているにもかかわらず、遮断機が上がるトラブルがあった。当時、同駅、奈良線、橿原線などで停電が発生していた。記者が現場に居合わせた。近鉄は19日、取材に対し、トラブルを把握していなかったとし、調査するとした。
踏切は西大寺駅を出てすぐの所にあり、奈良、京都の両上下線の計4本の線路を南北に横断している。当時、記者は踏切の北側にいた。遮断機は当初、下がった状態で、ほかに数人の人と数台の車が待機していた。
遮断機が下がったまま突然、警報機の音が鳴りやみ、赤信号も点滅をやめ消えた。間もなく、西大寺駅を出た奈良線の大阪方面行き電車が踏切に進入してきたが、先頭車両が踏切を少し越えた状態で停止してしまった。その直後に遮断機が上がった。電車が道路をふさいでいたため、横断する人や車はなかった。遮断機はしばらくして再び下がったが、警報機の音や赤信号の点滅はないままだった。
程なく、踏切内に停止していた電車は動きだし、再び警報機が鳴り始め、赤信号が点滅し始めた。続いて、京都線から西大寺駅に入る電車1本が通過した後、遮断機は上がった。踏切の南側の遮断機がどうだったかは確認できなかった。
西大寺駅の助役によると、停電は同日午後1時26分ごろから約1分間続いたといい、トラブルはこの時間内に起きたとみられる。停電は奈良線の生駒・新大宮駅間と橿原線の西大寺・平端駅間のほか、西大寺駅、西大寺車庫の広範囲に及んだ。再度の送電で復旧したという。
近鉄の施設関係者が点検したところ、京都線の高の原・平城駅間で感電死したとみられるカラスを発見。特別高圧線と呼ばれる架線に触れたらしい。停電の影響で電車は最大10分遅れた。事故はなかったという。
鳥などが架線で感電して停電する事例は珍しくはないという。走行中の電車は停電で通電しなくなっても、電気制動は機能するという。 同助役は遮断機のトラブルについて「非常に危ないこと。回路的なことがあるのかどうか原因は分からない。調査する」としている。