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拠点・奈良県大和郡山市 運営者・浅野善一

被災地の写真、小学校巡回し展示

生駒の写真家三田さん、ボランティアの傍ら撮影

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2011年5月21日 浅野善一
展示された三田崇博さん(右端)の東日本大震災被災地の写真=5月20日、生駒市壱分町の市立壱分小学校
 生駒市在住の写真家三田崇博さん(36)が東日本大震災の被災地でボランティア活動の傍ら撮影した現地の写真を、市内の小学校を巡回して展示している。子供たちが遠く離れた地で起きた震災の被害を身近に感じてくれたらとの思いからだ。
 三田さんは、普段は世界各地の世界遺産をテーマに撮影活動を続けている。
 ボランティア活動に参加したのは4月18日から5日間。宮城県南三陸町で、がれきの中から被災者の思い出の品と考えられそうなものを見つける「思い出探し隊」に加わり、写真の洗浄作業に携わった。また、傷んだ写真をスキャナーでデジタル化して再び印刷する修復にも独自に取り組んだ。
三田崇博さん
 撮影には作業前後の朝夕の時間を利用、「言葉を失うばかりだった」という壊滅した町の姿を収めた。同県気仙沼市や岩手県陸前高田市にも立ち寄った。撮影した中から90点を自費でA4版のパネルにした。
 小学校への協力依頼は、生駒市で活動するボランティア団体のメンバー吉村邦彦さん(68)が市教育委員会を通じて行った。巡回は5月6日に始まっており、7月までに市立の小学校11校と中学校1校を1週間単位で巡る。展示は1校当たり30~40点で、廊下の壁や多目的ホールなどに掲示している。
 展示に協力した壱分小学校の柳田富恵校長は「実際に被災地に行ってきた人の写真で子供たちが震災を身近に感じてくれたら」と話している。
 三田さんは「被災地の復興には長期間の支援が必要。遠い所のことなので子供たちには写真を見て忘れないようにしてほしい」と願っている。
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