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拠点・奈良県奈良市 運営者・浅野善一

権利の濫用禁止 諮問通り「明記必要」

奈良市情報公開条例 審査会が答申へ

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2012年1月13日
奈良市情報公開条例への権利の濫用禁止の明記について審議する市の審査会=2012年1月13日、市役所
 奈良市の諮問を受け、情報公開条例に権利の濫用禁止を明記する改正案を審議している市情報公開審査会(会長・伊藤忠通県立大学長、5人)は13日、諮問通り、権利の濫用禁止の明記が必要とする答申をまとめることを決めた。恣意(しい)的運用を排除するため、判断基準については、実施要項で明確化することを求める。
 改正案では、何人にも開示請求権を認めることを定めた第5条に、権利の濫用禁止とこうした請求を拒否できるとする条文を追加する。
 審査会は公開で行われ、このほど実施したパブリックコメントの結果などを踏まえて審議が行われた。
 委員から、権利の濫用禁止の明記に異論はなく、「条例は何人にも開示請求権を認めており、保有文書のほとんどが開示の対象であることから、濫用によって事務遂行に支障を来す可能性がある」(伊藤会長)、「要項のみでは、担当者によって判断が変わるなどかえって不透明になる。条例化によって市側も適用に慎重になり、濫用の証明も必要になる」(委員・多田実弁護士)などとした。
 一方で、請求の制限につながることを懸念する市民への説明も必要とした。「大量請求では拒否できないことや、あくまで例外的なケースであることを示すべき」(多田委員)、「濫用禁止を威圧的に感じて市民が請求をためらうことのないよう、分かりやすい説明が必要」(伊藤会長)といった指摘のほか、改正案の条文は市民の視点でなく、市の視点になっているとの声もあり、条文などの工夫を求める意見が相次いだ。
 議論の結果、権利の濫用かどうかの判断基準を実施要項で定め、その点を条文に明記するよう求めることにした。現在、各条文の解釈は運用基準を作って定めているが、これを要項に格上げすることになるという。
 審議に出席した委員はほかに末吉洋文・帝塚山大学准教授、滝口貞子・県労働基準協会総務部長、西山博志・奈良テレビ放送総務局長。
 市は、仲川元庸市長への答申を経て、3月定例市議会への改正案上程を目指している。(浅野善一) 
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