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拠点・奈良県奈良市 運営者・浅野善一

奈良市塩漬け土地問題、市民30人現場巡る

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2013年1月21日 浅野善一
「西ふれあい広場」計画地の前で不透明な取得の経緯について案内人から説明を聞く参加者=2013年1月20日、奈良市二名7丁目付近

 奈良市土地開発公社が保有する塩漬け土地を見学する「塩漬け公有地ツアー〜財政悪化の元凶をこの目で」が20日、市民有志の主催で行われ、市民ら30人が参加した。

 2011年度末で、公社の保有地は約27万平方メートル。1990年から2000年代前半にかけて取得したものが主。取得のために公社がこれまでに借りた金は、金利を含め約185億円に上る。事業計画の具体性が乏しいにもかかわらず、市が公共施設建設などを名目に先行取得させ、今も利用のめどの立っていない長期保有地が多くある。土地全体の価値は実勢価格(08年度末)で借金の1割程度しかない。市は公社解散に向け、175億円の借金を肩代わりし、今後20年かけて返済する。つまり、市民の負担となる。

 ツアーは貸し切りバス1台を借り、4カ所を4時間かけて巡った。いずれも、取得の経緯が特に不透明とされていて、土地所有者に便宜を図るのが目的であった可能性や取得額が釣り上げられた可能性が指摘されている土地。案内役は、市の財政問題に市民の立場で取り組んでいる加門進二郎さん(68)のほか、市土地開発公社問題に詳しいジャーナリストや市議が務めた。

 二名7丁目の「西ふれあい広場」計画地では、取得した山林の前に立った。案内人は、土地所有者の相続税対策のために市議らが市に口利きをしたとされていることや、進入路のない土地であることを説明した。参加者からは「議会はチェックできなかったのか」「市は土地を生かすためにどんな努力をしているのか」などの質問があった。

 このほか、JR奈良駅前の駐車場計画地では、元市議会議長の所有地を地価の下落を無視してバブル当時の価格で取得したことなど、同市横井町の「体育施設」計画地では、利用できる平地の少ない山林を取得したことなど、同市中ノ川町の工場立ち退き代替地では、工場移転が白紙になり広大な不要土地を抱えてしまったことなどが説明された。

 参加者は「現場を実際に見て、問題が身近になった」などと感想を話していた。

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