「下ツ道」伝える涼やか音色
沿道家々の門にもてなしの風鈴
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民家の門につるされた風鈴。短冊に下ツ道とある=大和郡山市番条町 |
チリン、チリンという涼やかな音色で足を止めると、古い集落の家々の門に風鈴がつるされている。風に揺れる短冊には「下ツ道」とある。訪れた人はそこが藤原京から平城京に至る古道の沿道であることを知る。開催中の平城遷都1300年祭の来訪者に対するもてなしの一環で、県からの依頼によるものだが、粋な仕掛けだ。
下ツ道は現在の橿原市から奈良市まで南北に走っていた古代の官道。近世にも主要道として機能したが今は残っていない。
風鈴がつるされているのは沿道となる大和郡山市と田原本町の集落。県が中心になって1月から開催している同祭に合わせ、4月までに両市町の560戸に配った。大和郡山市の風鈴は養殖が盛んな金魚の柄をあしらったもの。田原本町は県を代表する特産品赤膚焼の風鈴。5月8日の同記念事業協会主催の下ツ道ウオークイベントでは風鈴の音が参加者を出迎えた。
沿道集落の一つ、大和郡山市稗田町は環濠集落でも知られ、風鈴は訪れた観光客に下ツ道を知ってもらうきっかけになっている。また地元でも下ツ道の沿道であることを知らない人が多く、風鈴は住民にそうした歴史を再認識してもらう狙いもあるという。
大和郡山市番条町の松田伯一さん(76)は「歴史的に有名な場所が近くにあり、こうした取り組みに参加できて良かった」と話している。(浅野善一)
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