県が大屋根設計の入札中止
景観で異論 県民からの批判、影響か
近鉄奈良駅前 行基広場に計画
県は21日、奈良市の近鉄奈良駅前の行基広場に計画している大屋根の設計の入札を中止した。今月9日に公告、電子入札により受け付けを始め、27日の開札を予定していた。大屋根設置をめぐっては、古都奈良の玄関口の景観に影響することから、県民の間から反対意見や計画の見直しを求める声が上がっていた。また、県が事前に計画を明らかにしていなかったことにも批判が出ていた。県は中止の理由を「敷地内の地下埋設物などについての精査を行う必要が生じたため」としているが、中止の背景にはこうした批判が影響した可能性がある。開札を直前に控えた突然の入札中止は、県の事業の進め方が適切だったかも問うことになりそうだ。
中止は、県のホームページの入札情報のコーナーで告知した。
大屋根は、県の計画ではガラス張りの近代的なデザインで駅利用者らの雨よけが目的。計画が明らかになったのは、県が設計の入札を公告した9日。これを機に計画を知った県民の間から、「計画を知らなかった。いつ決まったのか。古都の玄関口にはふさわしくないのでは」といった声が上がり、県の事業の進め方にも批判が起きた。有志で県民の意見を募り、県に届ける取り組みも始まっていた。(浅野善一)
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