県議の申し入れ影響か
大屋根、県の設計入札中止
奈良市の近鉄奈良駅前の行基広場に大屋根の設置が計画されている問題で、県が設計の入札の中止を決定するまでに、計画への県民の批判の声を受けて県議が入札の一時中止などを申し入れていたことが22日分かった。県は中止の理由について「敷地内の地下埋設物などについて精査の必要が生じたため」としているが、周辺では議員のはたらきかけが県の判断に影響を与えたとの見方が強い。
申し入れをしたのは浅川清仁県議(山辺郡・奈良市選挙区、自民)と井岡正徳県議(磯城郡選挙区、自民)。大屋根の問題をめぐっては、インターネットのツイッターで計画の存在が明るみになったこともあり、ツイッター上に多くの批判が寄せられた。両県議ともにツイッターに参加しており、ツイッター上でこの問題に対する意見を求められた。
浅川県議はこれを受けて県土木部に対応をただし、入札の一時中止を申し入れた。同県議は「(事業実施に至る)プロセスが必要だった。事前に計画を発表して、県民の受け止め方を見るべきだった。多くの県の事業がある中、ルール上どう進めていくか、今後課題になっていくだろう」としている。
県は今月9日、大屋根設計の入札をホームページで公告。27日に開札を予定していたが、21日、突然、入札を中止した。
県道路・交通環境課は入札中止について、市民からの批判や県議からの申し入れが理由ではないと否定。「大屋根の柱の下になる部分の近鉄の地下駅舎やガス、電気、水道などの地下埋設物に関して当初想定していたより、検討すべき課題が多いことが入札の公告1週間後に分かった。精査にかかる期間が分からないため、入札の実施時期は未定」としている。(浅野善一)
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