大屋根、昨年度9月補正予算で検討に着手
研究機関に委託、イメージ固まる
|
県が作成した行基広場の大屋根のイメージ |
|
県が作成した行基広場の大屋根のイメージ |
近鉄奈良駅前の行基広場に県が大屋根を計画している問題で、事業決定に至る経緯に関心が集まっているが、県が具体的な検討に着手したのは2009年度9月補正予算の段階だったことが28日までに分かった。外部の研究機関に大屋根設置が可能かどうか検討を委託しており、同研究機関がまとめた10年3月の報告書でデザインや規模、材質などイメージが固まった。
県道路・交通環境課によると、同補正予算に公共交通アクセス環境整備事業として事業費が計上され、この中で近鉄奈良駅周辺整備について外部の研究機関に検討を委託した。大屋根のほか、同駅前バス停の屋根の付け替えについても検討している。
報告書は大屋根のデザインや規模、材質について複数の案を提示。同課はこの中からガラス張り、アーチ型の案を採用。これを基に今月9日、設計の入札を公告した(21日に中止決定)。
県は前段として07年度、外部識者や奈良市職員を交えた近鉄奈良駅前道路景観整備委員会で、沿道景観を軸に同駅周辺の改善に向けた基本方針を検討している。同駅を奈良の玄関口として整備するのが目的だが、委員会に関する記録の中に大屋根はないという。大屋根の案は県庁内部での議論の中で出てきたものだという。
行基広場は奈良市景観計画の大宮通沿線景観形成重点地区の規制を受けるため、すべての建築物や工作物が届け出の対象になり、色彩が制限される。さらに、市都市景観審議会の審議の対象になる可能性もある。この場合は色彩だけでなく形状なども審議の対象になる。市景観課によると、審議の対象は主に大規模な施設で、大屋根については県から具体的な書類が提示されないと、対象となるかどうか分からないという。(浅野善一)
|
ご寄付のお願い
ニュース「奈良の声」は、市民の皆さんの目となり、身近な問題を掘り下げる取材に努めています。活動へのご支援をお願いいたします。
振込先は次の二つがあります。
当サイトについて
当局からの発表に依存しなくても伝えられるニュースがあります。そうした考えのもと当サイトを開設しました。(2010年5月12日)
|