8億円で買い戻し、土地公社の駐車場用地
わずか500平方メートル、金利だけで2億円4000万円
奈良市が18年間放置
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わずか500平方メートルの土地を市が8億円近くで買い取り=奈良市高畑町の「ならまちセンター駐車場」 |
奈良市土地開発公社が1992年に買収した市営駐車場用地498平方メートルに対し、奈良市は7億9800万円の高値で買い戻していたことが分かった。公社の取得から18年が経過しており、歴代市長が対策を先送りしてきた。金利は2億4000万円に達し、市民の税金などの公費で穴埋めされた格好だ。
同市高場町の「ならまちセンター駐車場」用地で、買い戻しは先月8日に行われた。高額だが面積は小さく、「地方自治法上の議決は不要」と市は話す。市は92年、外郭団体の土地開発公社に命じて、宅地など498平方メートルを5億5000万円で買収させていた。
その後、市は一向に買い戻しをしなかったため、同公社が金融機関から受けた融資の利息はかさんで2億4000万円に。用途が不明瞭な「塩漬け土地」とは性格が異なるが、実際に駐車場として利用されているだけに、外見上は無駄が見えにくく、国は早期の買い戻しを促してきた。
奈良市の土地開発公社の保有地簿価は今年3月末現在で214億円に及び、不良資産が累積する経営状態は、中核市でも1、2位を争うほど悪化している。このうち、同公社が「ならまち整備事業」として保有する土地の簿価だけでも、同駐車場用地を含め27億円もあった。
観光の新名所として発展する奈良町は、景観形成に公有地が有効に作用する一面はあるが、市の土地開発公社が長期間保有する場合は、金利の無駄が多く発生し、市の財政悪化の一因になっている。
「ならまちセンター駐車場」(3994平方メートル)は、元は立体の施設で90年の開設。2年後に土地開発公社が隣接の用地を買い足していた。運営は市の駐車場公社。民間委託などを求める声もある。奈良市交通政策課の原田敏雄課長は「財政上の理由などで買い戻しが遅れてしまったが、駐車場としてのニーズは高い」と話している。(浅野詠子)
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