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行基広場大屋根の建設費を被災地支援に作家らが署名呼び掛け、県への提出目指す
県が奈良市の近鉄奈良駅前行基広場に計画中の大屋根に反対している県内の作家らが、大屋根などの建設費を東日本大震災の被災地の復興支援に生かすよう県に求める署名活動を展開している。
「被災地を支援する奈良の会」(松永洋介代表)は県内の作家や主婦、画家らが発起人となり発足。大屋根のほか、県が奈良公園の県新公会堂とシルクロード交流館の間に計画している渡り廊下は不要として、大屋根の建設費1億7000万円(立案時の県の概算)と渡り廊下の建設費1億6000万円を合わせた3億3000万円を東日本大震災の被災地の復興支援に充てるよう求めている。復興のための工事を県内の建設業者に発注して被災地に派遣すれば、税金は県民に還元され、被災地との人的交流も生まれると訴えている。 署名集めは行基広場での街頭活動とインターネット上での呼び掛けを軸に行っている。先月27日の行基広場での署名集めには男女4人が参加。「無駄な公共工事をやめ、被災地復興に役立てるため県を動かしたい。協力をお願いします」と大きな声で道行く人たちに呼び掛け、署名用紙付きのちらしを配布しながら賛同を求めた。小さな子どもを連れた母親や若い女性、年配の男性、お年寄りの女性らが応じて署名していた。 署名した奈良市内の女性(71)は「大屋根は必要ない。青空が見えた方がよい。被災地支援が先」と話していた。 同会の発起人の一人、市内在住の作家・詩人寮美千子さんは「東北の人たちが何もかも失い、命の危機にあるときに大屋根はぜいたく。税金を生きた形で使ってほしい」と話している。署名集めは5月末まで実施し、県に提出するという。 県道路・交通環境課によると、大屋根は2011年度予算に基本・実施設計費2500万円が計上された。今年度、基本設計のもとになるイメージを地元の商店街や自治会に示し、意見を聞いた上で大屋根の意匠や規模、材質を決め、実際に工事に入るための実施設計を行う予定という。 一方、県公園緑地課によると、県新公会堂とシルクロード交流館を結ぶ渡り廊下は両施設を一体的に利用するのが目的。長さ約130メートル、幅2.4メートルで屋根が付く。シルクロード交流館には展示施設やレストランがあるほか、一部を会議室に改修することで、渡り廊下により新公会堂の機能を強化できるという。2011年度予算に建設費が計上され、この秋の完成を予定している。 |
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