羅城門跡に朱雀門望む展望台
大和郡山市の佐保川堤防に完成
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羅城門跡に完成した展望台(人がいる手前の整地された所)から望む朱雀門=大和郡山市観音寺町 |
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佐保川堤防上に設けられた展望台 |
平城京の玄関口だった大和郡山市観音寺町の羅城門の跡に、かつてこの門と朱雀大路で結ばれていた平城宮跡の朱雀門(奈良市二条大路南3丁目)を望める展望台ができた。はるか3.7キロ北に小さくかすむ朱雀門を見れば、壮大な1300年前の都に少し近づけそうだ。
展望台は、羅城門の遺構が見つかった佐保川の堤防上にことし3月完成した。羅城門橋西詰めの堤防の一部に盛り土をして小高くした。国土交通省近畿地方整備局大和川河川事務所が水辺空間の整備と水防を兼ねて設けた。洪水時には切り崩して土のうの資材にすることもあるという。
羅城門は平城京の南端に位置し、外国の使節を歓迎する場でもあった。展望台の約30メートル下流で門の基壇の一部が見つかっており、建物は重層入り母屋造り瓦ぶきで幅26メートル、奥行き10メートルとも推定されている。一方、朱雀門は平城京の北端に位置する平城宮の正門で、1998年に復元された。二つの門は、平城京の中央を南北に貫いていた幅約70メートルの大通り、朱雀大路で結ばれていた。羅城門跡付近では現在の佐保川とかつての朱雀大路が重なっている。
展望台は見晴らしが良く、肉眼では少し分かりにくいが北のかなたに朱雀門の上半分が見える。背後には2010年に完成した第一次大極殿の屋根も見える。ただ、案内板がなく、展望台があることが分からない。羅城門橋中央の欄干には大和郡山市と奈良市が設置した羅城門跡の案内板があり、同様に展望台にもあれば親切だ。(浅野善一)
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