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大正の洋館、杉山小児科医院がサロンに登録有形文化財の公開、活用めざす 大和郡山
大和郡山市本町にある大正時代の洋館、杉山小児科医院(登録有形文化財)が文化芸術サロンに生まれ変わった。院長の杉山武浩さん(77)が現役を退いたのを機に、建物の公開と活用を目指して第一歩を踏み出した。ミニコンサートの会場やギャラリーとして利用してもらえればという。同市では城下町の時代から続く歴史的町並みを生かしたまちづくりも進められており、拠点の一つになりそうだ。
同医院は大正10年頃の建築。中世ドイツ風の木造2階建てで、診療棟と住居棟から成る。柱やはり、筋交いが外壁にむき出しになるハーフティンバー様式や屋根のピナクル(尖塔)などが特徴。ドイツ好みだったという医師が病院として建て、先代院長の杉山さんの父が買い取った。 杉山さんは、老朽化による雨漏りや天井・壁の崩落などの対策で補修を重ねながら建物を維持。投じた費用は「家が1軒建つくらい」。それほど大切にしてきた。同時に2006年3月の登録有形文化財への登録以来、公開に努め、春と秋、年2回の建物内部の一般公開を続けている。この際、趣味の絵や写真、ステンドグラス作品を展示して見学を楽しめるようにもしてきた。ことし春の一般公開では、ギャラリーとしての試しに出身校の県立郡山高校の同窓生の作品展を開いた。また、昨年12月とことし4月にはミニコンサートも開いた。 施設の名前は杉山サロン。当面の予定では、試みとして、ピアノ教師をしている長女満美子さんが中心になってミニコンサートを隔月くらいで開催する。広い診察室には40人は入れるといい、ピアノも置いた。秋には住居棟などを利用したギャラリーも本格的に始動させる。人が集まる小さな催しにも利用してもらえるという。 一方、周辺では、同医院前のちょうちん屋だった町家がなくなるなど伝統的な建物が減り、城下町の風情が失われつつある。町並み保存の動きとも連携できればと考えている。 杉山さんは「お城まつりがあるサクラのシーズンと金魚すくい選手権大会のとき以外、大和郡山市は観光地としての値打ちが低下している。サロンがまちの活性化にもつながったら」と話している。 問い合わせは同サロン、電話0743(52)2398。 (浅野善一) |
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