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大屋根、県が再検討案 柱に木の化粧板反対の市民「なぜ必要、疑問消えない」
県は19日までに、奈良市の近鉄奈良駅前行基広場に計画している大屋根の再検討案を公表した。8月18日まで県民から意見を募集する。大屋根をめぐっては、計画を公表しないままに建設を進めようとしたことが批判を受けた。再検討案では、屋根の柱に木の化粧板を施すなどしている。しかし、計画に反対している市民は「大屋根がなぜ必要なのか、疑問が解消されていない」として、あらためて県に再考を求めている。
県道路・交通環境課が公表した資料によると、大屋根は行基広場の待ち合い空間としての機能向上を目的に、広さ約420平方メートルの広場の全面を覆うもので、鉄骨造り、高さ11メートル。屋根部分は明るさ、紫外線の防止、安全性を考えて合わせガラスを使用。6本の柱は景観を考えて木の化粧板を施すとしている。また、近鉄奈良駅ビルと東向商店街のアーケードそれぞれと屋根の隙間を可能な限り少なくしたとしている。柱の位置も地下の埋設物を避けるため変えた。建設費用は1億5100万円で、来年度の着工を予定している。 大屋根をめぐっては、昨年7月9日、設計の入札の公告で計画の存在が明らかになった。古都奈良の玄関口の景観に影響することや、県民が事前に計画を知る機会がなかったことから、反対意見や県の事業の進め方に対する批判が出た。県はこれを受けて、急きょ県民からの意見募集、行基広場での街頭アンケート、識者からの意見聴取を実施。この結果を根拠に、おおむね屋根設置への理解は得られたとし、集まった意見を踏まえて計画の再検討を進めていた。 大屋根などの建設を中止し、その費用を東日本大震災の復興支援に回すよう訴えている「被災地を支援する奈良の会」の代表、松永洋介さん(奈良市在住)は「県が計画推進の根拠にしているアンケートは不正確であり、大屋根がなぜ必要なのか、疑問が解消されていない。どんなデザインが良いかではなく、まちづくりの在り方やつくるべきかどうかというところから、考え直してほしい」と話している。 県の意見募集は電子メール、ファクス、郵送で受け付けている。問い合わせは県道路・交通環境課、電話0742(27)8667。 |
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