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拠点・奈良県大和郡山市 運営者・浅野善一

中学校給食、教職員の多く歓迎せず

保護者は8割が賛成

2013年度の実施目指す奈良市

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2011年7月18日
奈良市立中学校給食アンケートの結果(2011年5、6月市教委調べ)
 2013年度の市立中学校全校の給食実施を目指す奈良市が生徒、保護者、教職員を対象に、その実施についてアンケート調査をしたところ、保護者は賛成が8割を占めたが、教職員は反対が3分の2を占めたことが分かった。給食は保護者からの要望が強いが、教職員の多くは歓迎していないようだ。
 同市の市立中学校で現在、給食があるのは、全21校のうち東部山間地などの5校のみ。09年7月に当選した仲川元庸市長はマニフェストで、4年以内に全中学校で給食を実施すると表明している。
 アンケート調査は、市教育委員会が委嘱した識者による市立中学校給食導入検討委員会の審議資料とすることが目的。保健給食課がこの5、6月、給食がない8校から各学年1学級を抽出し、生徒845人、保護者845人、教職員293人を対象に実施した。
 生徒では「給食をしたほうがよい」と「どちらかというと、したほうがよい」を合わせた賛成意見は33%にとどまったが、「しないほうがよい」と「どちらかというと、しないほうがよい」を合わせた反対意見の26%は上回った。最も多かったのは「どちらでもよい」の40%だった。賛成の理由で多かったのは「栄養のバランスがよいから」(32%)や「家庭で弁当を作ってくれる人が楽になるから」(31%)。反対の理由で多かったのは「家庭の弁当が好きだから」(25%)や「配膳に時間がかかるし、面倒だから」(21%)だった。
 保護者では「給食をしたほうがよい」と「どちらかというと、したほうがよい」を合わせた賛成意見は83%を占めた。賛成の理由で多かったのは「カロリーなど栄養のバランスがよいから」(41%)や「家庭で弁当をつくる人の負担が軽くなるから」(20%)だった。また、給食の方式について「完全給食」と「弁当給食」(業者の配食弁当)のどちらがよいかを学年別に尋ねたが、いずれの学年も「完全給食」が3分の2前後を占めた。
 一方、教職員では「給食しないほうがよい」と「どちらかというと、しないほうがよい」を合わせた反対意見が64%を占め、「給食をしたほうがよい」と「どちらかというと、したほうがよい」を合わせた賛成意見は27%にとどまった。反対の理由で多かったのは「給食費徴収などの困難が予想されるから」(23%)や「配膳に時間がかかるから」(18%)。賛成の理由で多かったのは「カロリーなど栄養のバランスがよいから」(31%)や「弁当をつくる家庭の負担が軽くなるから」(27%)だった。また、給食の方式では「弁当給食」がよいとする回答が48%を占めた。「完全給食」は27%にとどまり、保護者とは逆の結果になった。(浅野善一)
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