現在の行基広場「広場といえない」
大屋根計画で知事
県会決算審査特別委 山村氏の再考求める意見に
県議会決算審査特別委員会(新谷紘一委員長、11人)が19日あり、県が奈良市の近鉄奈良駅前行基広場に計画している大屋根について、山村幸穂委員(共産)が「賛否が分かれている」として荒井正吾知事に再考を求めた。荒井知事は、現在の行基広場を「広場とはいえない」と断じ、雨の日の屋根が必要と主張した。
山村委員は、東日本大震災の被災地や県南部の台風12号の被災地の復旧・復興が急がれているとき、税金の使い方を考える必要があるとして、「大屋根は賛否が分かれており、あったら便利という人も今すぐ必要ではないと言っている。不要不急のものは後回しとし、災害復旧を優先すべき」と指摘した。
これに対し、荒井知事は「近鉄奈良駅は私の学生時代には東向商店街まで屋根があった。雨の掛からない広場になっていた」と駅の歴史に触れ、現在の行基広場について「駅の広場とはいえない。修学旅行生や観光客が雨の日にあそこで待っているのを見ると情けない」と屋根設置の理由を説明。「屋根ができたら必ず良い駅になる」と自信があることを示した。また「本来、奈良市が屋根を作ってもいいと思ったが」と市への不満ももらした。
山村委員は再度、意見を述べ、かつて鍵田忠三郎元市長が地下駅を出た観光客が青空を望める場所として広場を整備したことを説明。「雨にぬれる、ぬれないという利便性だけでは計れない。8月のパブリックコメントの反対意見に対し、県は『今回はぜひを問うものではない』として全く取り合わなかった。考え直してもらいたい」と迫った。
荒井知事は「何度も意見は聴いている。いろんな意見があることは承知しているが、一部の意見だけをもって、こうだとは言えない」と反論、応じなかった。(浅野善一)
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