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拠点・奈良県大和郡山市 運営者・浅野善一

大屋根計画、県の案に意見付け答申へ

奈良市景観審議会風致デザイン部会 疑問の声消える

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2012年4月11日
行基広場の大屋根計画について審議した奈良市景観審議会風致デザイン部会=2012年4月11日、市役所
↑屋根の骨組み部分の色をホワイトグレーにした大屋根の完成予想図。風致デザイン部会はこの案を支持した(奈良市提供)
↑側面から見た同完成予想図
 県が奈良市の近鉄奈良駅前行基広場に計画している大屋根が11日、市景観審議会風致デザイン部会(部会長菅沼孝之・元奈良女子大学教授、6人)で審議された。同部会は県の現計画案に対し、屋根の骨組み部分の色などについて意見を付け、仲川元庸市長に答申することを確認した。
 大屋根計画の審議をめぐっては、ことし1月25日の同審議会全体会議で、計画そのものへの疑問の声が上がるなどして意見がまとまらなかったため、専門の同部会に審議が付託されていた。
 この日は、県が当初に比較検討した現計画案以外の4案と、前回の全体会議後に作った色彩の比較検討のための3案が示された。前回の全体会議で「ひさしを伸ばすだけというのも案に入れて」などの意見もあったが、こうした案は示されなかった。
 委員は5人が出席。菅沼部会長は冒頭、「屋根の設置を前提にデザインについて審議を付託された」と前置きした。審議では、現計画案について、木の化粧板で覆い、金輪を施した柱が大仏殿の柱を思わせ良いとして、評価。一方、屋根の骨組みとなるトラスについては、現計画案の黒っぽい色ではなく、県が比較検討案として示したホワイトグレーが明るくて良いとした。
 このほか、「近鉄奈良駅前は駅前という意識が低い。屋根だけ議論しているが、全体計画が必要」(水野正好・奈良大学名誉教授)、「広場正面の景観がばらばら。統一が必要」(川崎清・京都大学名誉教授)、「奈良らしい主張を持った広場に」(今井範子・奈良女子大学名誉教授)、「屋根を広場に隣接する歩道まで伸ばせないのか」(大橋雪子市議)などの意見もあった。
 今回の部会では、前回の全体会議で出たような計画への疑問の声は消えた。水野氏は、県が2010年夏に実施した有識者への意見聴取で大屋根設置に反対していたが、この審議では賛成に転じ、会議の中でその理由について「最初は反対していたが、たくさんの人を救うのなら、まあいいかと考えた。割り切るまでに時間が掛かった」と述べた。(浅野善一)
仲川市長に意見を答申
 奈良市景観審議会(川崎清会長)は4月17日、県の大屋根計画に関する審議の結果を仲川元庸市長に答申した。県の現計画案に対し意見として、屋根の骨組みの色は周囲と調和し明るい色彩となるようホワイトグレーとし、屋根の高さについては周辺の建築物や屋根の柱の太さと調和するよう配慮を求めた。
 また、付帯意見として、屋根設置の必要性や広場機能の有効性などについて県民の思いをさらに把握し、さまざまな問題点を解決するようにも求めた。(2012年4月24日記事追加)
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