奈良町の面白いもの、絵地図で紹介
地元の料理店、生活者の目生かし
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↑「ならまち おもしろ絵図」を作った野村修司さん |
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↑野村さんのスケッチがふんだんに使われた地図の一部 |
奈良市の歴史的な町並みが残る奈良町の〝面白い〟見どころを紹介した観光地図「ならまち おもしろ絵図」を、地元の料理店が発行した。生活者の目を生かし、一般的な観光案内から漏れた奈良町の多様な魅力を発掘している。
地図を作ったのは野村修司さん(58)。同市十輪院町で「田舎・出張料理うとうと」を妻由利子さん(58)と営んで10年になる。野村さんによると、奈良町の既存の観光地図には、店を紹介するものはたくさんあるが、町そのものを楽しんでもらう地図はないといい、それが動機になったという。
地図はA3判大で、町の雰囲気を伝えようと、野村さんが歩いてスケッチした絵をふんだんに使った。市の目抜き通り、三条通りの南側に広がる奈良町には、奈良時代に歴史をさかのぼる古寺のほか、江戸時代末から戦前までの伝統的な町家が数多く残っていて、地図はその中心部となる東西約800メートル、南北約900メートルの範囲を対象とした。
地図には、野村さんの目で見て面白いと感じたものを取り上げた。表は初心者編で、一般的な観光コースに沿って見どころを紹介。裏は中級者編で、そうしたコースからは少し離れた。趣のある小さな通り、むしこ窓やうだつ、屋根瓦などに特徴のある町家、通りに点在する彫刻、奈良町に多い銭湯、昭和の町名看板、マンホールのふたの絵柄など、頭上から足元まで目を向けた。
野村さんは、こうしたものから奈良町の成り立ちや庶民の生活が見えたりするといい、「今の人は目的地の1カ所だけ行って帰るが、その途中に面白いものがあることを知ってほしい」と話す。
発行は1000部で、1部100円で販売。今後も同地図の上級編など、奈良町をいろんな角度から楽しめる地図の発行を予定しており、売り上げは今回の地図作成費や今後の地図作成費に充てるという。協力者もいた。印刷に向けた作業は知り合いの画家が引き受けてくれた。同市西寺林町の「ならまちの駅」など奈良町の5施設は地図を無償で置いてくれている。
野村さん夫婦はこれまでにも、今年で8年目になる奈良町の行事「ねこ祭り」(6月開催)を開催してきた。
問い合わせは「うとうと」、電話0742(23)5958。(浅野善一)
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