県内の公立図書館に、利用者に渡す貸し出し票の裏面を利用した広報がお目見えした。県が児童虐待防止啓発のために取り入れたアイデア。県立図書情報館のほか奈良市や大淀町の市立、町立図書館など23館が協力している。
貸し出し票に使っている用紙は、主に幅8センチ、長さ約80メートルの感熱式の巻紙で、この裏面に1辺7センチ四方の広報を連続して印刷している。図柄は、虐待の兆しを知る子どもの変化と、その相談や通報を受け付けている県中央、高田両こども家庭相談センターの電話番号を紹介したものなど4種類がある。製作は5000巻で、1館当たり10―1000巻を配布した。
貸し出し票の裏面利用は、他府県で広告収入を目的にしたものがあり、これを参考にしたという。
広報を印刷した貸し出し票の使用は、子どもが学校に行かない夏休みに虐待が見逃されがちになるとして、7月20日をめどに開始した。期間は今年度中を想定しているという。
同課によると、2011年度に県中央、高田の両こども家庭相談センターが受け付けた相談や通報は972件で、過去5年間で最高だった。また、市町村が受け付けた分は1398件で前年度より約11%増えた。