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2014年6月2日 浅野善一
奈良県)奈良・旧都跡村役場の建て替え入札告示、8月4日開札 市、取り壊しの方針変えず
↑新しく建てられる地域ふれあい会館の立面図(奈良市提供)
↑現在の旧都跡村役場庁舎=2014年2月、奈良市四条大路5丁目
↑奈良市史編纂室が1977年に撮影した旧都跡村役場庁舎。建築当初のままとみられる=市教委文化財課所有
奈良市は、近代和風建築として貴重とされる同市四条大路5丁目の旧都跡村役場を地域の集会施設に建て替える計画に関し、2日、予定通り建て替え工事の入札を告示した。開札は8月4日。建築家の団体が保存を求める要望書を提出するなどしているが、市は取り壊しの方針を変えなかった。
建設される都跡地域ふれあい会館は軽量鉄骨造り平屋建て広さ280平方メートル。入札は、施工計画や施工能力に対する評価を加えて落札者を決める総合評価落札方式一般競争入札で行われる。入札額の上限となる予定価格は7388万円とした。市の計画では、9月をめどに取り壊しを終え、11月に着工、来年4月の完成を予定している。
1933年に建てられた旧都跡村役場は、2011年3月の県教育委員会調査報告書「奈良県の近代和風建築」が「最小規模の庁舎と議事堂が、ほぼ当初のままセットで残っている点で、貴重な存在」と歴史的、文化財的価値を認めた。しかし、市連絡所や公民館施設として使われていたことから、地元の都跡地区自治連合会は老朽化や使い勝手の問題を理由に、地域ふれあい会館への建て替えを要望していた。
日本建築家協会近畿支部奈良地域会(森田昌司会長)が先月2日付で、仲川元庸市長あてに保存を求める要望書を提出するなど、取り壊しに反対する声があるが、市地域活動推進課は「建て替えの要望は平成18(2006)年度からあり、流れがある。市内部でこれまでの経緯を振り返り、建て替えの必要性を確認した。連合会でも先月28日の定例会で保存の意見があることについて諮っている。その上で連合会から予定通り進めてほしいという意見をもらった」とした。(写真は6月3日に追加した)
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