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拠点・奈良県奈良市 運営者・浅野善一

三条通り完成図、マンションちらしで知る

奈良市民、市の広報なく

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2012年3月27日
↑マンション宣伝のちらしに掲載された三条通りの完成予想図
↑マンション宣伝のホームページに掲載されている三条通りの完成予想図
 奈良市が中心市街地の三条通りで進めている道路拡幅工事の完了後の完成予想図が、通りに建設される分譲マンションの宣伝ちらしやそのホームページに掲載された。市は同予想図について広報しておらず、市民はこのちらしなどで初めて知ることになった。三条通りの拡幅後の姿は市民の関心事であり、完成予想図は税金で作られた。結果的にではあるが、それが市民に紹介されるより先に、マンション宣伝の材料に使われる格好になったのは残念だ。
三条通りの拡幅は、通りのにぎわい創出が目的で、JR奈良駅前から「やすらぎの道」までの区間482メートルの道幅を8メートルから倍の16メートルに広げる。車道は1車線一方通行とし、その分、歩道を広くとる。歩車道の境界に置く車止めが可動式なのが特徴で、祭り行列があるときなどは車道を広げられる。工事完了は2014年の予定で、費用は63億円が見込まれている。
一方、マンションは、大和ハウス工業(大阪市)が通りに面した同市下三条町の奈良銀行本店跡地約1600平方メートルの敷地に建てるもので、8階建て56戸となっている。完成は13年の予定。
拡幅後の完成予想図は、市街路課が通りの意匠を決めるため、景観施設設計業務を業者に約500万円で委託し、この中で作られた。10年度末に出来上がった。通りを見通した全体図のほか、歩車道の形態を上から見た平面図や灯籠風となる車止めの図、のぼりを掲げられるLED照明の街路灯の図などがある。
このうち、ちらしに掲載されたのは全体図1枚と平面図1枚、ほかに、これらの図をもとに大和ハウス工業側が独自に作成したマンションと通りのイメージ図。ホームページは全体図、平面図に加え、街路灯の図が掲載されている。ちらしは、3月25日に奈良市内で配達された全国紙朝刊に折り込まれていた。
市街路課の説明によると、11年10月21日、ちらしへの掲載を目的に同社から完成予想図の提供依頼があり、同月27日に承諾した。三条通り整備のPRの機会にもなると考え、協力したという。
ただ、完成予想図を外部に出すのはこれが初めてではなかった。図は何度か修正を加えているため、その時点のものではあるが、道路拡幅に伴う地元権利者への説明の際に示しているほか、10年度の工事の際には通行人に目的を説明するため、現場3カ所に掲示していた。しかし、市の広報紙やホームページへの掲載、記者発表などは、当初から考えていなかったという。
市街路課は取材に対し、「隠していたわけではなく、市民から提供依頼があっても同様に対応するだろう」としたが、今後、市広報紙やホームページへの掲載をするかどうかについては、「市のシンボルロードであり、検討課題としてはあるかと思うが、ほかの路線との整合性もあり、課内での協議が必要」と答えるにとどまった。(浅野善一)
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