2013年12月19日 浅野善一

奈良県:大和郡山の味覚糖工場増築、黄色の使用多くてもOK 県景観審議会の答申、テーマカラーに理解

黄色を基調としたデザインが目を引く味覚糖奈良工場。左側の部分で増築工事が進められている=2013年12月18日、大和郡山市今国府町

 黄色を基調としたデザインが目を引く大和郡山市今国府町の味覚糖奈良工場の増築計画が、県景観計画の色彩基準の規定を超えていることに対し、県景観審議会(会長・鳴海邦碩大阪大学名誉教授、13人)は、景観形成に資すると認められる場合は基準によらなくてもよい、とする例外規定に則って、容認する答申を県に提出した。2009年の景観計画策定以来、例外規定の適用は初めて。18日の同審議会で報告があった。

 菓子・食品製造販売の味覚糖(本社・大阪市)は、奈良工場のテーマカラーを黄色としており、壁面などに多用している。審議会での報告や県に提出された建築計画概要書によると、増築は既存の工場3棟に連結して、鉄骨造り4階建ての厚生棟を建てるもので、屋上設備の目隠し部分に黄色を使うことが計画された。敷地全体の景観調和を図るためとした。

 しかし、黄色は県景観計画の色彩に関する景観形成基準で強調色に該当し、店舗や工場など大規模な建築物では、使用割合が外壁各立面の面積の5分の1または10分の1までに制限されている。厚生棟単体ではこの制限を超えないものの、景観計画の策定より以前に建てられた同工場は黄色の使用割合が高く、基準に対し、違反ではないが合致しない「既存不適格」の状態になっている。

 一方で、景観計画は色彩基準の規定を超えているものでも、景観形成に資すると認められるものについては、例外として、景観審議会の意見を聞いた上で容認することができるとしている。

 今年8月に諮問を受けた同審議会の審査指導部会は現地確認を行った上で、「既存工場が周辺状況に照らして不調和なものでないか」などについて検討。味覚糖に対しては「なぜ黄色なのか」などについて2度にわたり見解の提出を求めるなど、慎重に審議した。同工場は国道25号沿いの工場が多く集まる地域にある。

 答申は11月14日付で、同工場について建築・環境デザインの観点から良質な施設であるとし、「黄色をテーマカラーとして使用し、施設全体の統一感を生み出そうとしている。この色彩の使用計画は県が認める面積割合を超えているが、景観形成上、支障がないと判断した」とした。

 市内の市民団体「やまと郡山環境を良くする市民の会」は、2009年にまとめた「やまと郡山百景」で同工場を選定した。テーマカラーの黄色は市民の間にも浸透している。

 味覚糖マーケティング室は「お菓子を売っている会社なので、楽しい色をということで黄色を工場のテーマカラーにしている。増築では既存の工場の色使いを見て、バランスを考えた」としている。

 県の景観計画区域は現在、奈良市など景観行政団体である6市町村を除く県内33市町村。

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