2014年8月11日 浅野善一

奈良県)野迫川村に55万円支払い命じた判決確定 指名回避で2社が提訴 1社は敗訴

 野迫川村の村工事の入札業者指名をめぐり、指名を回避された村内の建設業者2社が裁量権の乱用だとして、それぞれ村を相手取り起こした損害賠償請求訴訟の上告審の判決などが11日までにあったことが、村への取材で分かった。

 最高裁はうち1社の訴訟について村の上告を棄却、村に55万円の支払いを命じた2審の大阪高裁判決が確定した。一方、2審で敗訴していたもう1社の申し立ては不受理とし、村の勝訴が確定した。この業者は申し立てだけを残し、上告を取り下げていた。不受理は7月24日付、棄却は同29日付。

 同一工事の入札業者指名をめぐる訴訟は、業者の主張を認めた判決と村の主張を認めた判決とに判断が分かれた。

 村を訴えていたのは、2010年5月の村長選で、角谷喜一郎現村長の対立候補だった人物が関係する建設会社など2社。角谷村長当選後の道路工事の指名競争入札で指名を受けられなかったことに対し、指名回避は裁量権の乱用だとして、同年9月、それぞれが村を相手取り、損害賠償を求める訴えを奈良地裁に起こした。対立候補だった人物は前村長(1970〜2010年)の息子だった。

 これに対し村は、村内の建設業者は前村長の指示で長期間にわたり談合を行い、2社はその主導的立場にあったとして、指名回避は入札の公正さの確保のためだったと主張した。

 奈良地裁は13年4月の判決で、2社の訴えをいずれも認め、村に損害賠償を命じた。村の主張は退けた。しかし、控訴審の大阪高裁ではうち1社が同年12月の判決で逆転敗訴、もう1社は14年1月の判決で1審同様、勝訴していた。

 中本浩三副村長は「2審では2社の判決が違っていた。上告審ではともに勝訴できると期待していた。ただ、事務手続きの点では悪い部分もあったので、それは今後改善していきたい。判決を真摯(しんし)に受け止め、あらためて適正な業務執行を心掛けたい」とした。

前村長関与の官製談合、新たな問題

 同訴訟では、前村長時代に村長自らが関与する官製談合が行われていたことが、村側から明らかにされた。各判決も官製談合が常態化していたと指摘した。村民への説明責任は果たされておらず、訴訟の終結を受け、村が実体解明にどう取り組むのか、新たな問題として浮上する。

 談合に関し、入札適正化法は、公共工事の入札で独占禁止法違反が疑われる行為があるときは、発注した地方公共団体は公正取引委員会に通知しなければならないとしている。中本副村長は「これで終わりとは思っていない。事実を明らかにするのは大事。説明責任は当然ある。損害賠償の支払いなどについて、9月の定例議会で報告しなければならない。これから今後の方針を検討する」としている。

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