奈良市「重症警報」受け、県と財政状況改善の第1回合同勉強会 仲川市長も出席
奈良市の財政状況改善に向けた、市と県の第1回合同勉強会が25日、市役所で開かれた。県が開催を呼び掛けた。県は昨年11月、市の財政状況について「重症警報」を発令している。勉強会は実務担当者による会議という設定だが、この日は仲川元庸市長も出席、勉強会後の同日の定例会見で「財政状況の改善に向け、情報提供や支援をいただけるとうかがい、大変ありがたい」と感想を述べた。
勉強会には、市は財政課や人事課などの担当者、県は市町村振興課の担当者が出席した。
仲川市長によると、勉強会では市の現状やこれまでの改革とその成果などについて説明。特に県から指摘を受けている人件費の問題については、ごみ関連業務の民間委託の拡大や直営の幼稚園、保育園の民間移管の推進などの取り組みについて説明したという。県が作成した奈良市の財政カルテは「衛生、民生部門で職員数が類似団体を大きく上回っている」と指摘している。
一方、仲川市長から県に対する意見として「市町村に対する財政支援では既存でどのような制度があるのか、他の都道府県と比べてどの程度であるのか、県でも分析に取り組んでほしい」と要望したという。
会見では「経常収支比率が高いことが財政運営の支障になっていないか」との質問もあり、仲川市長は「そこは経営判断であり、私としては経常収支を守るよりも起債残高、将来負担を減らす、今しんどい思いをしてでも将来は楽にするという方を選択した。借金体質を脱却することを1丁目1番地にするべきと考えている」と反論した。
県が「重症警報」を発令した自治体は、他に五條市、宇陀市、平群町、河合町。経常収支比率、実質公債費比率、将来負担比率、基金残高比率を指標に財政状況の悪い自治体に発令した。 関連記事