ホームページに生活保護制度の案内なし 県内12市のうち3市で
生活保護制度を案内する県内各市のホームページ。一部の市は制度の案内情報がない
奈良県内市部12市のうち3市で、ホームページに生活保護制度の案内がないことが、「奈良の声」の取材で分かった。厚生労働省公表の最新の被保護者調査(2021年3月分概数)では、全国の生活保護の申請件数は7カ月連続で前年同月比を上回っている。新型コロナウイルスの感染が収まらない中、制度の周知は欠かせない。
「奈良の声」が12市のホームページを確認したところ、6月25日時点で、制度の案内があるのは奈良など9市。一方、天理、御所、香芝の3市は案内がなかった。
「しおり」情報は2市だけ
ただ、案内がある9市においても、多くは掲載情報が制度の趣旨や概略、問い合わせ先にとどまっており、制度の利用について具体的に触れているのは3市だけだった。
この3市のうち、宇陀市は、制度の趣旨に続いて保護の対象となる人、保護の種類(生活扶助など8種類)、申請手続きの流れについて具体的に案内。また、奈良、五條の2市は、申請を考えている相談者向けの制度の案内書「生活保護のしおり」をダウンロードできるようにしている。
未案内2市は近く掲載へ
案内の掲載がない3市はその理由について、それぞれ次のように答えた。
天理市社会福祉課は「以前は生活保護のページはあった。取材を受けるまで、なくなっていることに気付かなかった。なくなった原因は特定できないが、早急に復活させる」と話した。
また、香芝市生活支援課は「これまでは他の自立支援組織を通じて個別に相談に対応していたため載せていなかった。しかし、案内がないのは不親切とも言えるので、国の新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の7月1日の受け付け開始をホームページで告知するのに合わせ、生活保護制度のページも設ける予定にしている」とした。
一方、御所市は生活保護の題が付いたページはあるものの掲載情報がない。市福祉課は「2016年に市のホームページをリニューアルした際、生活保護のページを作成したものの、中身の整備が進まずそのままになっている。整備については今後検討していく」とした。 続報へ