奈良・斑鳩でフードドライブ 食品や日用品など7300点 住民ら330人来場 社会福祉法人が催し
住民らが訪れたフードドライブの会場=2021年11月20日、斑鳩町龍田南2丁目の町中央公民館
奈良県内で精神障害者らを支援する活動を行っている社会福祉法人「萌」の西和エリア事業部(斑鳩町)がフードドライブ事業に取り組んだ。福祉関係団体や企業から提供してもらった食品や日用品など7000点以上を、住民らに無料で持ち帰ってもらう催しを、11月20日、同町龍田南2丁目の町中央公民館で開いた。332人が来場した。
西和エリア事業部は斑鳩町など県西和地域の7町を事業の範囲として、同町神南5丁目で、精神障害者らを対象に生活支援センター「ぽると・ベル」、居場所を提供する地域活動支援センター「まーぶる」、労働の機会を提供する指定障害福祉サービス事業所「らそら」の3つを運営している。
催しは同法人の社会貢献の一環で、コロナ禍により暮らしが一変する中、地域住民の支えになればと企画した。
同事業部の永石淳哉部長によると、昨年7月、新型コロナウイルス感染拡大で休校となった小中学校の余った給食食材などを利用して弁当を作り、家庭に無償配布する取り組みに、弁当の配食サービスを行っている「らそら」が協力した。用意した100食の弁当はあっという間になくなり、「食に困っている人が多いことを実感した」という。
こうしたことをきっかけに同事業部は同年9~11月、フードバンク奈良から提供を受けた給食食材の冷凍食品などを利用して、事業所のある地域の単身の高齢者らを対象に月2回、1回当たり45~50食の弁当を無償配布する取り組みを、住民団体の協力を得て実施した。
品物を集めるに当たっては、協力を求めるちらしを7町それぞれの社会福祉協議会や商工会を通じて関係団体に配布してもらった。ボランティア団体や企業など約50団体と個人から食品、文房具、日用品、衣類など計7314点の提供があった。こんにゃくやわらび餅、しょうゆ、靴下など製造、生産している製品を提供してくれた企業もあった。
取り組みには、利用者の障害者も集まった品物の整理で協力、また利用者の家族は品物の提供で協力した。
当日は、同公民館大ホールに食品や日用品などの品物を種類別に陳列。訪れた人たちは各コーナーを回りながら、用意してきた手提げ袋などに必要なものを詰めていった。文房具のコーナーでは子どもたちが欲しいものを熱心に探していた。用意した品物はほぼなくなったという。
斑鳩町内の75歳の女性は「バイクに乗れなくなり、買い物に行きにくくなった。お米などいろんなものをいただけてうれしかった。助かります」と喜んでいた。子ども2人を連れた同町内の女性は「ティッシュペーパーなどの日用品やお米をいただきました。子どもは文房具や菓子類をもらって喜んでいます」と話していた。
永石部長は「たくさんの人に来ていただき、提供いただいた物資を届けることができて、うれしい。これからも必要とする人と渡したい人をつなぐ取り組みをできたらと考えています」と話した。