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大屋根 反対意見、目立つ パブコメ結果県、計画推進変えず 「今回は是非問うものでない」 県は12日までに、奈良市の近鉄奈良駅前行基広場に計画している大屋根について実施したパブリックコメント(意見募集)の結果を公表した。それによると、50人から意見が寄せられた。県は昨年度のパブリックコメントなどの結果から県民の理解は得られたとしており、今回は詳細な設計を進めるため意見を募集したが、結果は計画への反対意見が目立った。
大屋根をめぐっては、昨年7月、計画を公表しないままに建設を進めようとしたことが批判を受け、県はあらためて再検討案を公表。7月19日から8月18日まで県民から意見を募集していた。 計画への賛成意見では、屋根と駅ビルや東向商店街アーケードとの隙間をなくし、雨だれを防止するよう求めるものや、周辺の建築物との一体感を求めるもののほか、雨の日や夏の暑い日の待ち合わせにいい▽団体観光客に便利―などがあった。 一方、反対意見では、雨を避けるのであれば眺望を損なわない屋根付きの回廊をつくる▽近鉄奈良駅を出ていきなり見える青空、それこそが奈良にふさわしい▽広場の両側に駅ビルと東向商店街アーケードがあり、雨をしのぐ場所には困らない▽1億5000万円もの大金を誰もが必要としているわけではないものに使うのはもったいない―などがあった。また、屋根のデザインコンペを求める意見もあった。 県は、寄せられた意見を50人の個人別ではなく、さらに分類して86件の意見として公表しているが、これを賛成、反対に分けて数を比較すると、反対が上回った。 パブリックコメントの結果は、計画を推進できるものとは言えないのではないか。県道路・交通環境課は「反対意見があったということは認識しているが、今回は計画の是非を問うものではない。意見を参考に設計を進めたい」とした。 県は、大屋根建設のため今年度予算に基本・実施設計費2500万円を計上。建設費用に1億5100万円を見込んでおり、来年度の着工を予定している。(浅野善一) |
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