通りに風鈴 柔らか音色、人誘う
奈良町の中通町自治会、家々の軒先
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町家の軒先につるされた風鈴。風に揺られ通りに柔らかな音を響かせる=2012年6月18日、奈良市紀寺町 |
歴史的な町並みが残る奈良町に、家々の軒先につるした風鈴の音が涼しげに響く、小さな通りがある。この6月にお目見えした。音色に誘われ、通りに足を向ける人の姿も。
場所は奈良市紀寺町の長さ100メートルほどの細い通り。通りに面した15軒でつくる中通町自治会が3年前から、夏の6~9月に実施している。各家が間口の大きさに合わせて1~6個をつるし、総数は45個になる。
自治会長の中谷宗俊さん(61)が役員の集まりで「何か面白いこと、インパクトのあることをやってみよう」と提案した。中谷さんがテレビで見た風鈴の寺がヒントになった。風鈴は自治会でまとめて購入している。自治会は、焼きそばや焼き鳥を楽しむ秋の懇親会を30年にわたって続けるなど、結束がある。
風鈴は多くがガラス製で音色はカラン、カランと柔らか。通りに立つと、風が奏でる音楽のシャワーを浴びるよう。通りは奈良町の外れになるため観光客の姿はあまりないが、伝統的な町家や中谷さんが営む家庭料理の店、町家を生かした喫茶店があって、風鈴の音はそんな町並みの情緒を豊かにしている。
中谷さんによると、地域の人が「風鈴の季節ね」「いい音やね」と話題にしながら通りを歩いたり、子供を連れたお母さんが子供と一緒になってたくさんの風鈴に感心したりしているといい、評判も上々。(浅野善一)
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