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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

奈良県)大和郡山ゆかりの少女歌劇団 知られざる姿、当時のちらしや写真で明らかに 市内で展覧会、9月1日まで

日本少女歌劇座の当時の舞台の写真や団員たちの写真を配した、展覧会の案内ちらし

日本少女歌劇座の当時の舞台の写真や団員たちの写真を配した、展覧会の案内ちらし

展覧会会場で来場者に展示資料の解説をする鵜飼正樹教授=2019年8月24日、奈良県大和郡山市北郡山町のやまと郡山城ホール

展覧会会場で来場者に展示資料の解説をする鵜飼正樹教授=2019年8月24日、奈良県大和郡山市北郡山町のやまと郡山城ホール

 戦前から戦後にかけて全国で公演、人気を博しながら、忘れられつつある少女歌劇団「日本少女歌劇座」の活動の歴史を、当時のちらしや写真、新聞記事などでたどる展覧会が、奈良県大和郡山市北郡山町のやまと郡山城ホールで開かれている。主催は同市立図書館、入場無料、9月1日まで。=終了しました

 大和郡山市は同劇団ゆかりの地。経営していた島幹雄(本名・冨永朝太郎)さん(1896~1974)は市の出身で、劇団の本社を同市に置いていた。

 ただ、拠点となる劇場を持たず、自ら各地に出向く旅回り専門の少女歌劇団だったため、同市で知る人は少なく、また、これまで、まとまった資料がなく、実態はほとんど知られていなかった。同展を監修する鵜飼正樹・京都文教大学総合社会学部教授(大衆文化論)がかねてから、古書店やオークションで同劇団の当時のちらしや絵はがきを収集、少しずつその姿が浮かび上がってきた。

 展覧会は2016年にも、鵜飼教授が収集した資料を基に、大和郡山市の別の場所で開催されている。今回は展示資料が大幅に増えたほか、新たな資料の調査も進み、同劇団の全貌をほぼ明らかにできたという。今回と同様の展覧会はことし3月、劇団の巡業先の一つ、宮崎市でも開かれた。

市立図書館がブロマイドや写真を所蔵

 鵜飼教授によると、大和郡山市で同劇団の名残を示すものとしては、本社を置いていた築90年になる洋館風の建物が現存している。また、同市立図書館にはかつて、市内の郷土史家の遺族から寄贈された、劇団の当時のブロマイドや写真が多く所蔵されている。

 展覧会は35年以上にわたった劇団の歴史を、鵜飼教授が収集したものや市立図書館が所蔵しているものなど約200点に及ぶ資料でたどった。年代ごとに代表的なスターに焦点を当てるなどしながら活動の様子を紹介している。

 劇団は1921(大正10)年ごろ、当時の少女歌劇ブームの中、今の大阪府東大阪市の近鉄石切駅近くにあった日下温泉の専属劇団として誕生した。

 間もなく全国巡演を開始。舞台に立つ団員は30人ぐらいいたという。昭和一桁代には、巡業先の地元紙との提携による広報戦略など、計画的に全国を巡業するやり方を確立した。展示のブロマイドの一枚は、一座のトップスターだった富山県出身の男役山路妙子。

 昭和10年代には宮崎市にも拠点を置き、正月は宮崎県内を巡演する日程が定着。また時代を反映して、演目は軍国調のものが目に付き、日本の植民地や勢力下だった台湾や朝鮮、満州へも公演に出掛けている。朝鮮公演専用列車内の団員の集合写真はそうした時代の一枚。

 昭和20年代は、終戦翌年の1946(昭和21)年から宮崎県内各地を巡演。敗戦に打ちひしがれた人々を勇気づけたという。戦後は根津美子ら多くのスターが活躍した。1952(昭和27)年の「踊る孫悟空」の舞台の写真は当時の一枚。活動は1950年代半ば(昭和30年代初め)ごろまで続いた。

 展覧会初日の8月24日は鵜飼教授の解説があった。旅回り専門の日本少女歌劇座は、本社の地元大和郡山では公演することが少なかった。来場者の年配の男性は鵜飼教授とのやり取りの中で、「大和郡山市で身近な高齢の人に聞いても、劇団のことは知らないと言う。きょう説明を聞いてその理由が分かった」と感想を述べていた。

 鵜飼教授は2016年の展覧会以降、元劇団関係者へのインタビューも果たした。島さんの孫に当たる人物や元団員、宮崎県で当時舞台を見た80代の人、台本を書いた人の娘などで、元団員の一人は戦後間もないころ、公演を見て「私も舞台に立ちたい」と憧れて入団したことを振り返ったという。

 鵜飼教授は展覧会について「地方の人たちが宝塚のような公演を見に行けなかった時代に、アイドルが九州や東北まで会いに来てくれた。舞台に青春を賭ける女性たちがいた。そうしたことを知ってもらえれば」と話している。

 市立図書館が所蔵する日本少女歌劇座の資料はまだ全貌が分かっていない。同図書館の青木美智子係長によると、2001年、市内の郷土史家で古物商、市観光協会長も務めた石田貞雄さんの遺族から寄贈を受けた。団員のブロマイドや舞台での公演の写真、巡業先での団員の集合写真などという。鵜飼教授からの問い合わせを機に光が当たり、一部が今展覧会で公開に至った。

8月31日に歴史たどる講演会

 鵜飼教授の講演会「日本少女歌劇座の35年 元祖ローカルアイドルの群像」が8月31日午後2時から、展覧会会場で開かれる。参加無料。

 問い合わせは大和郡山市立図書館、電話0743-55-6600。

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