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地域の身近な問題を掘り下げて取材しています

発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
ジャーナリスト浅野詠子

河合隆三さん個展開幕 奈良市都祁白石町にアトリエ構える彫刻家 大阪府茨木市立川端康成文学館で31日まで

河合隆三さんの個展で最新作の撮影に興じる鑑賞者=2019年10月17日、大阪府茨木市上中条2丁目の市立川端康成文学館

河合隆三さんの個展で最新作の撮影に興じる鑑賞者=2019年10月17日、大阪府茨木市上中条2丁目の市立川端康成文学館

斬新な設計の河合隆三さんのアトリエ=2015年、奈良市都祁白石町

斬新な設計の河合隆三さんのアトリエ=2015年、奈良市都祁白石町

 大阪市住吉区出身で、奈良市都祁白石町にアトリエを構える彫刻家、河合隆三さん(81)の個展が17日、大阪府茨木市上中条2丁目の同市立川端康成文学館で始まった。存在感のある少女像など、木彫や石彫の計16点が来場者を魅了している。31日まで。入場無料。=終了しました

 河合さんは青年時代、イタリアの巨匠、ペリクレ・ファッツィーニに師事し、帰国後、精力的に公共空間などを飾る作品を発表してきた。人気彫刻家の籔内佐斗司氏が十代のころ、河合さんがデッサンのアドバイスをしたこともある。父の芳男さんも彫刻家で、二科などで活躍したが、ニューギニアで戦死した。

 静かな制作環境を求め、奈良県都祁村(当時)にアトリエを構え、暮すようになったのが1995年。斬新な設計のアトリエが注目され、建築雑誌が取材を申し入れたところ「阪神大震災の直後なので晴れがましいことは控えたい」と断った逸話を残す。村は2005年、奈良市に編入合併する道を選択し、廃村のモニュメント制作を河合さんに依頼した。

 久しぶりの個展となった会場には、古い友人らが続々と駆けつけ、最新作の木彫「掃晴娘」などの意欲作に見入っていた。

 河合さんは「掃晴娘はほんの2、3日前に完成した。この造形をさらに発展させて制作したい」と話している。

 開場は午前9時から午後5時(最終日の31日は正午)まで。23日は休館。問い合わせは同文学館、電話072-625-5978。

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