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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

西奈良県民センター跡地利用、民間へ売却 県の回答に住民「すぐに売らないで」訴え

要望書への回答を受けて、県の担当者(左)に質問する「住みよい登美ケ丘をつくる会」の会員ら=2020年10月20日、奈良市の県中小企業会館

要望書への回答を受けて、県の担当者(左)に質問する「住みよい登美ケ丘をつくる会」の会員ら=2020年10月20日、奈良市の県中小企業会館

 閉館した奈良市登美ケ丘2丁目の県施設「西奈良県民センター」の跡地利用を巡る問題で、県は20日、同市の県中小企業会館で、住民有志の団体「住みよい登美ケ丘をつくる会」(山口功二代表)と面談。つくる会がホールなどを備えた交流施設の建設を求めて昨年11月に提出していた要望書に回答、「跡地は民間に売却するしかない」と伝えた。

 県は、つくる会が求めている施設について「市で整備すべき内容」との考え方から、地元奈良市に対し、跡地活用の意向があるかどうか照会したが、市からは活用の意向は示されなかった。

 県は先月23日の県議会9月定例会総務警察委員会で、跡地について「民間への売却を考えざるを得ない」と答弁、売却の方針を明らかにしていたが、つくる会に対しては、この日が正式な回答となった。

 面談には県からファシリティマネジメント室の尾崎俊之室長らが出席、つくる会からは会員ら9人が参加した。尾崎室長は「市が使わないということなので売却に向け手続きを進める」と説明。これに対し、つくる会は「跡地は県民の土地。住民の意見を尊重すべき」と訴えた。

 県と市の協議の在り方を巡ってのやりとりでは、つくる会が「時間をかけて協議をしていない」と不信感を示すと、別の同室担当者は「市のいろいろな課にアプローチしたが、どこもうちの課ではないという反応だった」と述べた。

 つくる会からは防災面からの意見もあり、「跡地周辺は高齢者が多く、避難場所として跡地を残してほしい」とした。

 売却がいつになるのかとの質問には、尾崎室長は新年度の予算要求(歳入予算=土地の売り払い収入)に向けて作業を進めていると説明。これに対し、つくる会は「納得がいかない。周辺で公の土地は限られている。公園として置いておき、様子を見てほしい。すぐに売るは必要はない」と強く求めた。 続報へ

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