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発行者/奈良市・浅野善一
浅野詠子

阪奈結ぶ「暗越奈良街道と大軌」の魅力まとめる 東大阪の杉山さん、10月9日のサミットで発表

路上に旧大和川の記憶。「渡し地蔵」について語る杉山三記雄さん=大阪府東大阪市高井田元町

 大和の古代氏族・笠縫氏ゆかりの大阪・深江や旧大和川の堤道(つつみみち)、そして近鉄開通まで、奈良県と大阪府を結ぶ街道の魅力を掘り起こす大阪府東大阪市の「まち・むら文化研究会」代表、杉山三記雄さん(67)が「暗越奈良街道と大軌」をまとめた。奈良市内で来月9日に開催の「暗越奈良街道サミット」(奈良まちづくりセンター、暗越奈良街道クラブ共催)で、参加者への配布資料に折り込まれる。まち歩きの貴重な一助になりそうだ。

 杉山さんは6年前から同街道に関心を寄せ、「深い歴史がありながら、その魅力があまり伝えられていない」と旧跡や逸話などを熱心に収集。古来、阪奈を結ぶ最短距離の街道として、俳聖芭蕉や初代英国公使のオールコックら、数知れぬ歴史上の人物が往来し、名句やスケッチなどの記録が残る。

 「暗越奈良街道と大軌」は、豊富なエピソードや見どころを紹介。約300年前に幕府が実施した大和川の付け替えの治水工事をしのぶこともできる。杉山さんは、旧河川の堤道にも詳しく、昔の河道は現在の宅地のどの辺りを走るかを熟知。東大阪市高井田元町にたたずむ「渡し地蔵」は、旧河川の渡しの安全祈願に祭られ、豊富な水量をたたえていた半面、水害の規模もいかに大きかったかを物語るかのようだ。

 資料には、「大軌」と呼ばれた近鉄開業にまつわる話し、河内ブナの洗いを味わえる店や浪花伝統野菜の話題、風情ある旧宿場の景観などが登場する。「河内名所図会」や「東大阪市史」、「生駒市誌」などの文献も効果的に引用した。10ページ。マップの制作は同研究会員、谷幸一さん。

 街道サミットは、奈良県の平城遷都1300年祭県民活動支援事業。万葉学者の上野誠さんが講演し、パネリストに仲川元庸市長も駆けつける。「まち・むら文化研究会」は街道クラブに所属。杉山さんは「街道の振興に向け、難波宮の大極殿が復元されることが私の夢。実現すれば平城宮跡かいわいとのきずなはもっと深まる」と話している。

 街道サミットは10月9日午後9時から、奈良市東寺林町の市ならまちセンターで行われる。問い合わせは奈良まちづくりセンター、電話0742(26)3476。

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