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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

奈良県)奈良市、中学校の給食導入は自校方式で 検討委が報告書

 中学校での給食実施を目指す奈良市教育委員会の諮問を受け、実施方式について検討していた市立中学校給食導入検討委員会(会長・菊崎泰枝奈良女子大教授、5人)は20日、各学校に調理室を設ける自校方式が望ましいとする報告書をまとめた。共同調理場を設けるセンター方式などと比較し、費用などの点で優位と判断した。また、調理は、直営でなく同市立小学校と同様の外部委託を選択した。市教委は仲川元庸市長に結果を報告し、2012年に実施計画を策定、13年から4年間で全校に実施したいとしている。

 同市では、全中学校22校のうち、市東部の3校と合併した旧月ケ瀬村と旧都祁村の2校、この春に開校した小中一貫校の富雄第三中学校の計6校で給食を導入しているのみで、残る16校が未実施。このうち11校では、業者の配食弁当を選択できる弁当給食を導入しているが、利用率は2%(2010年度)と極めて低い。09年7月に当選した仲川市長はマニフェストで全中学校での給食実施を掲げた。市教委がこの5、6月に行ったアンケートでは保護者の8割が給食の実施を望んだ。

 検討委は主に自校方式、センター方式、デリバリー方式(弁当給食)の3方式について、予想される費用や施設建設、管理・運営、食育などの観点で比較検討した。

 建設費・用地費と30年間の維持費を合わせた費用の比較では、自校方式は直営では約130億円で最も高くなるが、調理を外部に委託すると約89億8200万円で最も安かった。調理員数が固定する直営に比べ、外部委託は将来、予想される生徒数の減少に対応して調整が可能で費用を抑えられるとした。センター方式は建設費・用地費と初年度の維持費では、自校方式を下回ったが、生徒数が減少しても配送の人員を減らせないことから、長期では自校方式より割高になった。

 近隣の既存の小学校給食調理室を利用する親子方式も検討されたが、建築基準法や都市計画法などの法的制約から困難であるとした。

 また、自校方式は、食育の点でも調理員の顔が見え、作り手への感謝の気持ちが生まれるなどの利点があるとし、生徒のアレルギー対策の点でもよりきめ細かく対応できるとした。

 自校方式の導入にあたって、各学校で新たに給食調理室の設置が可能かどうかも、1校ずつ検証して確認した。

 市教委は、年次計画で4年間に毎年4校ずつ給食を実施したいとしている。また、給食実施に当たって、教職員側が強く懸念している給食費の滞納について、教職員が集金する現在の方法の見直しを検討する委員会を設けることも表明した。

 報告書によると、県内の公立中学校の給食の実施率は約7割、全国は約8割となっている。

給食にかかる費用の比較(円)奈良市立中学校給食導入検討委員会報告書から
  自校方式 親子方式 センター方式 デリバリー方式
直営 調理委託 直営 調理・配送委託
建設費・用地費など 22億9600万 22億9600万 20億536万3000 22億5232万2000 22億5232万2000 2億1329万1000
初年度維持費 4億13万6000 2億5718万4000 2億5789万3000 2億9821万5000 2億4783万7000 4億7080万
初年度合計 26億9613万6000 25億5318万4000 22億6325万6000 25億5053万7000 25億15万9000 6億8409万1000
10年間維持費 35億3643万6000 22億2687万1000 22億6385万4000 28億6269万2000 22億3894万6000 40億8330万
20年間維持費 71億2605万6000 45億3032万2000 45億7488万7000 61億9379万1000 47億6208万1000 72億2514万6000
30年間維持費 107億1008万8000 66億8616万8000 68億2204万3000 96億3357万4000 71億9813万7000 101億1341万1000
総計 130億608万8000 89億8216万8000 88億2740万6000 118億8589万6000 94億5045万9000 103億2670万2000
国庫補助金 7億6530万 7億6530万 4億2093万3000 6億 6億 0
市総支出 122億4078万8000 82億1686万8000 84億647万3000 112億8589万6000 88億5045万9000 103億2670万2000

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