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拠点・奈良県奈良市 運営者・浅野善一

平城宮跡を守る会が奈良市長に要望書

舗装工事、国交省に「合意形成まで保留」働きかけを 

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2012年11月13日 浅野善一

 奈良市佐紀町の平城宮跡(特別史跡)で、国土交通省が第一次朝堂院広場の復元のためとして草地を土系舗装しようとしていることに対し、中止を求めている「平城宮跡を守る会」(寮美千子代表)は13日、地元の仲川元庸市長に要望書(下記に全文)を提出した。

 寮代表は仲川市長に対し、国交省が今月10日に開いた住民対象の説明会で、公開での話し合いは今後、持たない▽工事は続行する―と明言したことを挙げ、「舗装中止を求める守る会の署名は大変な勢いで増えており、2万3000人を超えた。草原を残してという声は、ほとんどが繰り返し平城宮跡を訪れている人のもの。その思いを国交省にくんでもらわなければならない」と訴えた。

 要望書は「市民との合意形成ができるまで工事を強行せず、保留にすること」「合意形成のために公開の話し合いの場を回を重ねて持つこと」などを国交省に働きかけるよう求めている。

仲川市長も「住民の参画を」

 仲川市長は「市民が口を挟めないということではなく、住民の参画をと思っている。歴史学者の言う学問上の保存も大切だが、訪れる人の関心や関わりも重要。もう少し自然に配慮したものができないか」と述べた上で、「国交省の考え方を聞いてみたい。市民との正面衝突は避けるよう国交省に意見を申し上げたい」と約束した。

平城宮跡国営公園化事業についての要望書

 2012年10月11日には平城宮跡の舗装問題の件で、わざわざ公園事務所まで足をお運びいただき、「地元の意見を聞いたり、丁寧に説明するように」との要望書を国交省に提出していただき、まことにありがとうございました。

 「平城宮跡を守る会」主催の「平城宮跡の埋立て・舗装工事の、即時中止を求める署名」は、奈良市内県内を中心に、日本全国、さらにはアメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、フランス、中国、台湾からも署名が届き、「平城宮跡の草原を残してほしい」との切実な声が寄せられています。10月6日に開始されたこの署名は、11月10日までの1ヶ月強で2万3千筆を超え、いまも衰えぬ勢いで集まり続けています。

 説明を受け、国営公園の基本計画が周知されるほどに、今回の舗装だけでなく、完成までに800億円を想定しているという国営公園の基本計画そのものに、疑問を呈する声が多く聞かれるようになりました。わたしたちは、基本計画も含め、平城宮跡が国営公園としてどうあるべきか、自然と歴史の双方を活かした新しい時代の公園構想を、有識者のみならず、広く国民から募り、時間をかけて検討することを求めています。

 11月5日に開かれた市議会建設委員会で、現在平城宮跡内で奈良市が所有する里道や水路の処理について、奈良市と公園事務所との話が進んでいないことが明らかになりました。このことは11月10日の国交省による説明会でも奈良市議会議員から質問があり、公園事務所はこの事実を認めた上で、「工事にかかることについては市の承諾を得ている」と返答。水利については、一言も言及がありませんでした。未整理の課題を先送りし、市民の声に耳を傾けないまま、工事を優先させる国の強引な姿勢には、納得がいきません。

 11月10日には国交省の説明会がありましたが、市民の声に真摯に耳を傾けることなく、工事続行を宣言。納得のいく説明も得られませんでした。再度、話し合いの場を設定してほしいと要望しても「公開の会はもう開かない」の一点張りでした。

 市長におかれましては「舗装を止めて」という人々の声をぜひとも重く受け止めていただき、以下のことを国交省に働きかけていただくよう、強く要望します。

 1.市民との合意形成ができるまで、工事を強行せず、保留にすること。
 2.里道と水路の底地の問題が明確になるまで、工事を強行せず、保留にすること。
 3.合意形成のために、公開の話し合いの場を、回を重ねて持つこと。
 また、奈良市の所有になっている里道と水路の底地を国に売却しないよう、あわせて強く要望します。

 
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