近鉄奈良駅前行基広場に県の大屋根完成 荒井知事出席し式典

2013年5月30日 浅野善一
大屋根の完成式典であいさつする荒井正吾知事=2013年5月30日、奈良市の近鉄奈良駅前行基広場

 奈良市の近鉄奈良駅前行基広場に奈良県が建設していたガラスの大屋根が完成し、30日、荒井正吾知事が出席して、式典が行われた。

 大屋根は、行基像の噴水がある広さ約560平方メートルの広場を覆うもので、鉄骨造り、高さ11メートル。直径70センチの巨大な柱6本で支えている。雨の日の観光客の利便性を図るためなどとして、県が2億円近くをかけて設置した。

 式典には広場を管理する奈良市や近鉄、周辺の商店街、自治会の関係者、市選出の県議らが出席した。荒井知事はあいさつで「(奈良の)玄関口の行基広場に屋根が出来、うれしく思っている。雨が降っても人が待てる、列車が待てる、いろんなイベントができるという機能がある。地元の商店街の皆さまには、まちと駅が身近につながっていくように屋根を利用してもらえれば」と述べた。

 行基広場は1970年、駅の地下化に伴ってできた。当初の計画では、駅は地下鉄の出口のような構造で、広場は駅ビルの一部になるはずだったが、当時の鍵田忠三郎市長が「観光都市奈良である以上、まず、地下駅から降り、青空の見える広場に出て古都の空気と風情を味わってもらいたい」と近鉄に計画を変更させた。

 大屋根をめぐっては、遮るもののない広場から見上げる空こそ観光客へのもてなしになる、などと設置に反対する市民らの声もあった。

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