2014年2月21日 浅野善一

奈良県:奈良の市民団体が観光地で緑の名所づくり 大安寺境内に第1号の植栽

大安寺境内で植栽作業を行う「なら・みどりの名所づくり実行委員会」の会員=2014年2月21日、奈良市大安寺2丁目

 奈良市の観光地に市民の手で緑の彩りを―、と植栽事業に取り組む市民団体「なら・みどりの名所づくり実行委員会」(福田惇之会長、75人)が同市大安寺2丁目の大安寺境内で、事業の第1号となる植栽を行った。

 同会は昨年4月、「なら・みどりの名所づくりプロジェクト」が奈良市との協働事業として認められ、発足した。江戸時代末期、奈良奉行の川路聖謨が住民らの寄付などで、東大寺や興福寺を中心に、南は白毫寺、西は佐保川まで、サクラやカエデを植栽したことに倣って、緑で市内の観光地の魅力を高めようという。

 事業費は寄付や公的な助成金で賄っている。市は、事業の広報や植栽場所の選定の仲立ちなどで協力している。「みどりの名所」候補地は春秋の年2回、市民から募集している。寄付者は植栽後の管理にも参加する。

 植栽第1号となった大安寺は、南都七大寺の一つでありながら、市中心部の観光地からは外れた所にあることから、より知ってもらいたいという狙いで選ばれた。県「記紀・万葉」県民活動支援補助金の対象事業に採択された。

 植栽が行われたのは寺の西側にある駐車場。道路に面した所に約45メートルにわたってイロハモミジ6本とドウダンツツジ40本を植えた。溝を掘って植栽用の軟らかい土を入れ、一本一本丁寧に植えていった。福田会長ら会員3人がシャベルなどを手に作業に汗を流した。

 河野良文住職は「来てくださる方に緑の景観を楽しんでもらえる。自然の中の寺の存在は望ましい。境内が仏様の体そのもの。その体を緑できれいにしていただくのはありがたい」と歓迎していた。

 次の植栽予定地は同市鳴川町の徳融寺で、庭園にマツを植える。

 福田会長は「みどりの名所をつくることで奈良の観光にアクセントを付けたい」と話していた。

 同会への問い合わせは福田会長、0742(51)7520。 

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