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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

奈良県)奈良市、観光協会経由の補助金、直接交付に転換 無駄の有無点検、確実に 旅館組合など5団体向け

 奈良市は、市観光協会に対する補助金のうち、協会を経由してさらに別の団体に交付されていた補助金について、本年度までに、各団体に直接交付する方法に転換した。市観光振興課への取材で分かった。無駄の有無を確実に点検するのが狙い。旅館組合など5団体の補助金が該当する。市は経由した先の団体の収支の文書については保有していないため、これまでは市民などが開示請求して点検することもできなかった。

 市観光協会は2013年度で、職員の人件費や事業費など運営費の半分約1億円を市の補助金で賄った。補助金にはこれまで、県旅館・ホテル生活衛生同業組合奈良支部と奈良観光物産製造卸組合、外国人観光客の通訳ボランティア3団体の活動や事業に対するものも含まれていた。

 13年度は通訳ボランティア団体の補助金を直接交付に転換した。補助金の額は、協会経由だった12年度は3団体合わせて192万円、転換後の13年度は同228万5000円だった。

 14年度は旅館組合と観光物産組合の補助金を直接交付に転換した。旅館組合に対しては、協会経由の補助金と別名目の直接交付の補助金の2つが並行して存在していた。協会経由の補助金は接遇講習会開催などに対するもので13年度が56万1000円、転換後の14年度は経由分がなくなる代わりに、直接交付してきたもう一方の補助金が前年度比で30万円加算され180万円となった。観光物産組合の補助金は新作見本市開催などに対するもので、協会経由だった13年度は35万円、転換後の14年度も同額の35万円となった。

 市観光振興課によると、観光協会への補助金に対する審査は協会が作成した収支計算書と事業報告書で行っており、協会経由で交付を受けた団体の関係書類を直接審査することはなかった。同課は「市の厳しい財政状況を踏まえた補助金見直しの中で、必要なものは直接交付することにした。無駄がないかや適正に使われているかなどを把握できる」としている。

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