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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

宇陀の古民家再生の過程が写真集に 里山の別荘宿として開業

宇陀の古民家再生の過程を追った写真集「天空に宿す 雲上に暮らす」

宇陀の古民家再生の過程を追った写真集「天空に宿す 雲上に暮らす」

古民家を再生した別荘宿「ささゆり庵」

古民家を再生した別荘宿「ささゆり庵」(写真集「天空に宿す 雲上に暮らす」から)

 宇陀市の山里で古民家が宿泊施設として再生される過程を、関係者がカメラで追い、写真集「天空に宿す 雲上に暮らす」として自費出版した。取り巻く里山の自然や暮らしと一体でとらえているのが特徴だ。

 宿泊施設は、2014年9月に開業した同市室生深野の「ささゆり庵」(松林哲司さん経営)。築年数が150年になるという、かやぶき屋根の古民家を別荘宿として一棟貸ししている。高台にあって、目の前には棚田が広がり、遠くには美しい山並みが望める。室生深野は三重県境にある。同地区では、住民がササユリの保護活動に取り組んでいる。

 修理には1年掛かった。トタンぶきになっていた屋根をかやぶきに戻し、必要な部材も、取り壊しになる別の古民家から調達するなどした。

 カメラは、再生されていく古民家だけでなく、職人の技や表情もとらえた。さらに、里山の自然や移り変わっていく季節、土地の歴史、人々の暮らしなどにもレンズを向けた。掲載写真は数百点に上る。

 発行は「ささゆり庵」。写真と文は、同施設のホームページ用写真の撮影を担当した奈良市在住のデザイナー北井勲さん(71)。北井さんは「泊まるかどうかにこだわらず足を運んでもらい、イベントをやってほしい。文明の利器に囲まれた今の暮らしは便利だがそれでいいのか、何をすべきかここに来て考えてほしい。そうした思いを発信したかった」と話している。

 写真集はA4判、215ページ、3500円(税別)。問い合わせは「ささゆり庵」、電話0745(88)9402、メールinfo@sasayuri-ann.jp 送料は別途。【続報へ】

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