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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

大和高原と奈良つないだリフトの再現模型に関心 市美術館、近代の奈良紹介

奈良安全索道のルートを再現した模型。手前の京終駅から奥の大和高原に向かって索道の鉄塔が連なる

奈良安全索道のルートを再現した模型。手前の京終駅から奥の大和高原に向かって索道の鉄塔が連なる=2015年11月3日、奈良市二条大路南1丁目の市美術館

奈良市美術館「奈良を観る」に展示された「大和高原文化の会」製作の大和高原の模型

奈良市美術館「奈良を観る」に展示された「大和高原文化の会」製作の大和高原の模型。手前は滑車を載せた鉄塔の模型。

1943年ごろの奈良安全索道。禁止されていたが人が乗ることもあったという(岩名健一さん撮影)

1943年ごろの奈良安全索道。禁止されていたが人が乗ることもあったという(岩名健一さん撮影)=「奈良を観る」の展示写真の一つ

 大正から昭和にかけて奈良市と県東部の山間地をつないだ貨物輸送リフト、奈良安全索道のルートを再現した大和高原の模型が、同市二条大路南1丁目の市美術館(イトーヨーカドー奈良店5階)で開催中の「奈良を観(み)る~月ケ瀬と都祁を巡る」で展示されている。地元の地域づくりグループによる手製の労作で、山や谷を空中で越えていった索道の姿を想像できると関心を集めている。(終了しました)

 「奈良を観る」は近代の奈良の歴史や文化、芸術を紹介する同美術館の連続企画。2回目の今回は、月ケ瀬村と都祁村が奈良市に合併編入されて10年になるのに合わせ、両地区に焦点を当てた。資料や写真など約130点を展示している。

 月ケ瀬の展示は、国名勝の梅林の変遷を文人の書画や詩文、絵はがき、パンフレット、写真で紹介。都祁の展示は、盛んだった凍り豆腐作りの様子を中心に紹介しており、この中で凍り豆腐や原料の大豆、雑貨などの輸送に使われた奈良安全索道が取り上げられている。策道は、奈良市の国鉄京終駅(現JR)と都介野村小倉(現奈良市小倉町)の間、約17キロを結び、1919年から52年まで運行された。動力は電気だったとみられている。

 模型を製作したのは、山添村などを拠点に大和高原の歴史文化を生かした地域づくりに取り組んでいる「大和高原文化の会」の人たち。代表の浦久保昌宣さん(78)によると、索道の調査を進めるうち、大和高原の地形に関心が及び、立体的に示してみたいと考えた。模型は縦180センチ、横270センチ。索道のルートを中心に東は三重県境、北は京都府境、南は桜井・宇陀両市まで、南北18キロ、東西27キロを1万分の1の縮尺で表した。

 起伏を表現するため、厚さ5ミリの発泡スチロール板を等高線の形に合わせて切り、1枚を50メートル分として、標高に応じて積み重ねた。高原の標高は300~500メートル。高い山だと600メートル以上あり、十数枚を重ねた。斜面の階段状になった部分は紙粘土で埋めて滑らかにした。その上に半紙を貼って色を塗り、地名や道路を表示した。索道のルートには鉄塔の模型を配置し、ワイヤを表すひもでつないだ。

 手間だったのは、地図と発泡スチロール板の間にカーボン紙を挟み、等高線をなぞって転写する作業。一時は投げ出しそうになったという。5人で農閑期の冬に作業を進めたが、ふた冬を要した。完成は2012年4月。普段は山添村三ケ谷の大和高原民俗資料館に展示している。

 浦久保さんは「索道のルートを製作メンバーらで歩いた。山坂がよく分かった。鉄塔の土台が所々に残っていた。地域を理解するには地形を知るのが一番。模型からは、山川を越え、頑張っていた先人の姿が見える」と話している。

 同展は10月29日~11月8日。開場は午前10時~午後5時30分。入場料は16歳以上が100円。16歳未満、高校生、市在住の70歳以上、障害者などは無料。問い合わせは同美術館、電話0742-30-1510。

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