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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

奈良市、出張所の窓口にオンラインシステム 手続きの対象範囲が拡大

奈良市役所北部出張所の窓口に設置されたオンラインシステムの端末。タッチパネル式のディスプレー(左)と書画カメラ(右)=2021年2月25日、同市右京1丁目

奈良市役所北部出張所の窓口に設置されたオンラインシステムの端末。タッチパネル式のディスプレー(左)と書画カメラ(右)=2021年2月25日、同市右京1丁目

奈良市役所本庁舎の国保年金課に設置されたオンラインシステムの端末=2021年2月24日

奈良市役所本庁舎の国保年金課に設置されたオンラインシステムの端末=2021年2月24日

 奈良市は市役所の出張所窓口と本庁舎をオンラインで結ぶシステムを導入、3月1日から運用する。住民が本庁舎まで足を運ばなくてもできる相談や手続きの範囲が拡大する。新型コロナウイルス感染防止対策に加え、将来における手続きのオンライン化の拡大も念頭においている。

 システムが導入されるのは、西部出張所(学園南3丁目)、北部出張所(右京1丁目)、東部出張所(大柳生町)、都祁行政センター(都祁白石町)、月ケ瀬行政センター(月ケ瀬尾山)の5カ所。奈良市への編入合併に伴い、それまでの村役場に代わって設置された都祁、月ケ瀬の両行政センターは、本庁舎までの距離も遠く、住民にとって不便さ軽減の度合いはより大きい。

 出張所の窓口に設置されるシステムの端末は、カメラを備えたディスプレー、ヘッドホン、書類を写す書画カメラから成り、各出張所に1台ずつ設置される。本庁舎側は市民課など関係する9つの課に端末が設置され、相談があるとランプが点灯し、職員に知らせる。

 住民が利用する際は、ディスプレーのタッチパネルで相談する課を選択、同画面を通じて担当の職員と顔を見合わせながら対話ができる。書類などは机の上に広げて、書画カメラで確認する。手続きで申請書類の提出が必要な場合は、出張所に出せばよいという。

 今回、対象となる業務は9つで、(1)障害者相談に伴う面談・意思疎通支援〈手話通訳支援〉(障がい福祉課)(2)市・県民税の課税内容の説明(市民税課)(3)建造物の新改築などの届け出〈住居表示の付番申請〉(市民課)(4)児童手当・児童扶養手当に関する説明(子ども育成課)(5)国民健康保険・国民年金の手続きに関する説明(国保年金課)(6)後期高齢者医療保険制度に関する説明(福祉医療課)(7)介護保険に関する説明(介護福祉課)(8)妊娠届け出に伴うアンケートに基づく相談(母子保健課)(9)健(検)診・予防接種に関すること(健康増進課)。

 このうち(4)~(7)の4つは従来も対応できたが、これまで出張所では対応が難しかった事例についてもシステム導入で相談が可能になった。

 利用の際はいったん窓口で相談、手続きの内容を申し出てもらい、内容に応じて職員が端末に案内するという。オンラインの回線は、インターネット回線ではなく庁内専用の回線を使うため、個人情報を扱うことへの配慮もできているという。

 導入費用は1253万円。国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を利用した。

 今月24日、システム導入について記者発表した仲川元庸市長は、オンライン化が進めば、職員の配置で人材の有効活用を図れる、と述べた。

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