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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

貸し出し予約した本、人介さず受け取り 奈良市立図書館がコロナ対策 オンライン、ICタグ生かし

奈良市立西部図書館予約図書受け取りコーナー。利用者は手前の予約照会機で取り置き番号を印字したレシートを受け取り、番号に従って奥の書棚から予約した本を取り出す=2020年12月22日、同市鶴舞西町

準備中の奈良市立西部図書館の予約図書受け取りコーナー。利用者は手前の予約照会機で取り置き番号を印字したレシートを受け取り、番号に従って奥の書棚から予約した本を取り出す=2020年12月22日、同市鶴舞西町

 奈良市立図書館は、インターネットなどで貸し出し予約した本が人を介さず受け取れるサービスを1月5日から実施する。本に貼付したICタグを活用した仕組みで、利用者は館内の端末を操作し、無人の専用書棚から本を受け取ることができる。新型コロナウイルスの感染拡大防止が課題となる中、利用者と職員の接触の機会を減らすのが狙い。

 仲川元庸市長が21日の定例記者会見で発表した。市は、こうした仕組みは県内の図書館では初めてとしている。中央、西部、北部の3つの市立図書館で実施する。

 利用方法は、インターネットや図書館の端末から借りたい本を予約。貸し出し可能の連絡をメールなどで受け取ったら、館内の「予約図書受け取りコーナー」の予約照会機で「貸出券」の利用者情報を読み取らせ、予約した本の取り置き番号を印字したレシートを受け取る。予約を受けた本が並んでいる書棚から取り置き番号に従って自分で本を取り出し、ICタグの情報を読み取る自動貸し出し機で貸し出し手続き済ませる。

 併せて本の自動返却機も設置する。本の投入口を備えた箱型のもので、本を投入すると、本に貼付されたICタグを感知して、返却処理が職員の手を経ずにできる。

 工事や機械設置の費用、本年度のシステム利用料を合わせた事業費は890万円。

 市立図書館では、オンライン蔵書目録を利用したインターネットなどでの貸し出し予約受け付けは以前から実施している。盗難防止を目的とした開架図書へのICタグの貼付もこれまでに完了している。自動貸し出し機も設置済み。また、今月10日には本の除菌ボックスも設置した。

 このほか、インターネット経由で電子書籍を利用できる電子図書館もことし10月30日から稼働している。今月12日現在の蔵書数は3139冊で、本年度中に5000冊まで増やす予定という。

 2019年度は3図書館で、合わせて35万8471人が112万3813冊を借りた。予約件数は20万6127件だった。

 市立西部図書館の神田和幸館長は「今後、非接触が必要になってくる。安全に安心して図書館を利用していただくのが一番の願い」と話している。 関連記事へ

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