大屋根の意見募集に60数件

　県が奈良市の近鉄奈良駅前行基広場に計画している大屋根について実施した意見募集に、60数件の意見が寄せられたことが、県道路・交通環境課への取材で分かった。県は意見を集約して、9月上旬に今後の進め方を発表する。
　大屋根をめぐっては、昨年7月、計画を公表しないままに建設を進めようとしたことが批判を受け、県はあらためて再検討案を公表。詳細な設計を進めるためとして7月19日から8月18日まで県民から意見を募集していた。
　同課によると、寄せられた意見はデザインに対するものや景観への配慮を求めるものなどがあり、賛成、反対の両方があったという。
　再検討案は、屋根を支える柱に木の化粧板を施したり、隣接する駅ビル、東向商店街アーケードとの隙間を少なくするなどしている。建設費用は1億5100万円で、来年度の着工を予定している。
　県は大屋根計画について、昨年8月に賛否を問うため実施したアンケート調査などの結果を根拠に、理解は得られたとしているが、反対意見も根強く、市民グループが計画中止を求める運動を展開するなどしている。（浅野善一）