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1階正面全て店舗 バルコニーも壁面内側に三条通りのマンション 商店街の意向くむ京阪電鉄不動産 計画を大幅変更 奈良市の三条通りの映画館跡地に計画されている分譲マンションをめぐり、地元商店街が目抜き通りにふさわしい建物を、と求めている問題で、業者の京阪電鉄不動産(大阪市)が、1階正面を全て店舗とし、バルコニーを壁面の内側に引っ込めるなどの案を提示していることが分かった。商店街側の意向をくんだ大幅な計画変更となる。
京阪側との協議の窓口になっている、周辺8商店街でつくる市中心市街地活性化研究会によると、マンション1階の三条通りに面した部分は、出入り口を除いて3区画から成る店舗とする。通りに面した上階の壁面も、サービスバルコニーをやめて窓に変えた。側面のバルコニーは外に張り出したものから、洗濯物などが目立たない壁面の内側に引っ込めたものに変えた。建設を請け負っている長谷工コーポレーション(大阪市)も電話取材に対し、変更案を提示していることを認めた。 京阪側は当初、小さな店舗一つとショーウインドーを設けるなどの案を示した。しかし、商店街側は、三条通りが春日大社への参道で歴史ある通りであることや、市中心市街地活性化基本計画で「奈良のシンボルロード」と位置付けられ、商業施設の強化がうたわれていることなどが反映されておらず、立地への理解が足りないとして反発していた。 マンション建設にあたって、地元商店街の同意は法律的な要件ではないが、建設の許認可権を持つ市は、理解を得るよう指導している。一方、三条通りには、道路拡幅計画に伴う建築制限を主な目的に制定された地区計画がある。都市計画法に基づくもので、建築物や看板などを制限している。この中で、通りに面する1階部分の壁面については、ショーウインドーなど、にぎわいを高める構造にするよう努めるとしているが、目標にとどまっており、具体的な店舗の割合などは示されていない。 同マンションは、計画によると7階建てで住居は80戸。三条通りでは同所の他、奈良銀行本店跡地でもマンション計画がある。同通りでマンションが建設されるのはこれらが初めてで、市中心市街地活性化研究会の新堂順規・専務理事は京阪電鉄不動産の変更案について「今回の回答が一つの先例として定着していけば、三条通の価値を高める一つの要素になろうかと思われる」と評価している。 「よくする会」が署名活動三条通りの商店街関係者や市民でつくる「三条通りをよくする会」(発起人・新堂順規代表、川井徳子さん、寮美千子さん)は、同通りでのマンション計画に対し、市に適切な指導を求めるため、署名活動を展開。16日、その数が約850人に達したことを明らかにした。署名は引き続き集め、仲川元庸市長に提出する予定。同会は、映画館跡地へのマンション計画を考える勉強会(昨年11月18日)に参加した人たちの中の有志が、署名活動を実施するに当たって設立した。 三条通りでは他にも未利用地があることから、今後もマンションが増える可能性がある。同マンションはその先例となるため、市に適切な指導を求めると同時に、通りにふさわしいデザインのマンション、にぎわいが失われないマンションの在り方について、法的整備を進めてもらいたいとしている。 問い合わせは新堂・発起人代表、電話090-3973-0489、ホームページhttp://3jyo.jimdo.com/ (浅野善一) |
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