奈良県が近鉄奈良駅の行基広場に設置する大屋根の着工が、11月12日の正倉院展終了日以降になることが13日、分かった。着工時期について乗降客の増える同展期間中を外してほしいとする、近鉄や周辺商店街からの要望を受けたものという。
県は先月29日、大屋根設置工事の一般競争入札を公告、10月17日に開札し、業者を決定するとし、工期を10月中旬―2013年3月下旬と発表していた。
正倉院展は10月27日から11月12日まで、奈良市登大路町の奈良国立博物館で開かれる。近鉄奈良駅は同博物館の最寄り駅になっている。博物館によると、昨年は約24万人の入場者があった。
県道路・交通環境課によると、工事は広場全体を仮囲いすることから始まる。公告前から正倉院展は念頭にあったといい、公告前に行った近鉄や周辺商店街への説明で要望を受けて、着工の時期を調整していた。工費や本年度内完成予定は変わらないという。