長野県小諸市甲の国立病院機構・小諸高原病院が情報公開の手続きを2カ月以上にわたり放置していたことが分かった。問題の文書は、記者が本年3月1日に開示請求した医療観察法病棟の外部評価会議の会議録で、同病院によると今月23日、担当者が事務処理を忘れていたことに気付いた。
同病棟は、心神喪失などの状態で他害行為に及び不起訴または無罪になった精神障害者を強制的に治療する精神科病棟。奈良県大和郡山市をはじめ全国の28医療機関に計約700床ある。記者は専用病棟のある医療機関に対し、同会議の記録を開示請求してきたが、東京都目黒区にある国立病院機構の本部も、三重県内の医療観察法病棟に関する開示手続きを1年以上放置していた。
小諸高原病院の高橋信章事務長は「情報公開の受け付け簿に担当者が記入していなかった。今後はチェック体制を強化する」と話している。
記者が行った一連の開示請求では、千葉市緑区の下総精神医療センターが2012年度、医療観察制度のガイドラインで定められている専用病棟の外部評価会議を開いていなかったことなども分かった。
医療観察法病棟は、一般の精神科病院と比べ、医師や看護師などの配置を3倍の基準にし、国は手厚い医療を掲げているが、保護室に患者を隔離する件数が増加している実態(厚生労働科学研究報告書)を、精神科医の岡田靖雄さんが今月23日、東京で開かれた同法の問題をめぐる集会で取り上げた。